第3章 動き出した運命の歯車
3食の食事をして陽の光を浴びれるのは1時間ほど
それ以外はほとんど嫌な時間だった。
血を抜かれては目の前で研究される。
酷い時は内臓損傷や普通なら死ぬであろう危害を加われる。しかし、ナデシコは死ぬ事がなかった。死ぬわけがなかった。
毎晩、酷い痛みに涙を流す毎日を過ごしていた。
「神様…いるならなんで私を不老不死にしたの…
これならいっその事、死んでしまいたい…」
何度自害を図ったか。
喉が渇いたので何か飲み物を持ってきてと瓶物を受け取ると瓶を割り鋭利になった破片で自分の心臓に向けて突き刺すこともした。
しかし心臓は何事もなかったかのように癒えるとまたその様子を記録された。
生活全てが観察対象であることに絶望を感じる。
そんな毎日が3年ほど続いた。
ある日、いつものように過ごすかと思われたがその日は違った。
研究所から外へ連れ出されると船に乗せられた。
「あの…これからどこへ?」
「あぁ…ノースブルーに天竜人様が伺うのだが、その時にキミの噂を聞いたんだろう。
合わせろと聞かなくてね。どうしても日程を合わせられないのでこちらがキミの送迎をすることになったんだ。」
3年間のうちに何度か聞いた天竜人という言葉。
世界を作った人々の末裔だとか言われている。
「同じ誰かの末裔なのにこんなにも扱いが違うのね…」
悲しいものだと自分に呆れて悲しい笑みがこぼれ落ちた。