第4章 総長と副総長
「ユウさん、マイキー君…だ、大丈夫っスか?」
「んー、多分大丈夫。そんなに怒ってないみたい」
「は?オレすげぇ怒ってんだけど⁉︎」
「ハイハイごめんごめん」
アタシは手を上げて、よしよしとマイキーの頭を撫でた。
マイキーは「むぅぅ」と唸りながら、アタシの首元に顔を埋める。
怒ってるというより、拗ねてんだろうな……
アタシに怒る気持ちはあったけど、ドラケンと仲直りできた嬉しさが勝って、不満だけが後に残った感じ。
ドラケンと仲直りする前にバレてたら、マジでヤバかったかも……ホンットにありがとう、タケミっち!
「マイキー、機嫌直して。あと暑いから離れて」
「ヤダ」
「どーしたら機嫌直してくれんの?」
こういう時のマイキーが何を要求してくるか、アタシには大体察しがつく。
こうやって質問すれば、マイキーは上目遣いでアタシを見つめて……
「和月からちゅーしてくれたら許す」
と、キスを要求してきた。
チュッ
アタシは予想出来てたので、言われてすぐに顔を傾けマイキーの唇に自分のを重ねた。
こういう時のマイキーには、人目を気にして拒否しても長引くだけだから、他人に注目される前に手早く終わらせるに限る。
「っ⁉︎…⁉︎」
タケミっちには見られてたようで、タケミっちはボンッと効果音がつきそうなほど顔を真っ赤にさせていた。
その横ではドラケンが呆れた顔してる。
「機嫌直った?」
アタシが聞くと、マイキーはまだ不満な様子……あっさり終わらされたのが気に入らないのかな。
「…まだ足りねぇ」
「続きはまた後でねー」
(マイキー君とユウさんすげぇ…人前できっ、キスとか出来んだな…!オレまだした事ないのに)
マイキーの機嫌も多少直り、マイキーとドラケンはボール遊びしてる敦くん達の方へ混ざりに行った。
「オレも入れてー」
「マジすか」
「えぇ…⁉︎」
敦くんとタクヤくんは驚いてたけど、快く受け入れてくれたみたい。
それと入れ替わるように、山岸くんとマコトくんがタケミっちの元へ駆け寄ってきた。
「タケミチ!お前すげーよ‼︎」
「あの2人を仲直りさせちゃうなんて‼︎」
「サイッコーだな、オイ!」