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【東京卍リベンジャーズ】One Heart

第4章 総長と副総長


これでマイキーが稀咲の話に乗る事もないだろうと、アタシは心底安堵する。


溜まってた疲れをほぐすように、アタシはその場でグッと伸びをした。


今日はよく眠れそうな気がする。


「それはそうと、和月…」


伸びをするアタシの元に、スタスタとマイキーが歩み寄ってきた。


「ん?なに?」


「………」


聞き返してもマイキーは無言で、アタシの隣に腰を下ろす。


笑みの消えた真顔に、アタシは嫌な予感がした。


ドッ ギューッ


「グエッ」


次の瞬間、タックルの如き勢いでマイキーはアタシに抱きついてきた。


横ではタケミっちが「マイキー君⁉︎」と驚きに声を上げてる。


「苦しい!」


倒れないように必死になりながら、アタシはギチギチに締めつけてくる腕から抜けようと身をよじった。


「マイキー!苦しいから放して…」


「和月の浮気者」


「⁉︎」


マイキーの言葉にドキッと心臓が跳ねて、アタシはバッとドラケンを見る。


ドラケンは、「悪ぃ、マイキーにバレた」と言いながらアタシに向けて片手を立てた。


「バッカ…!」


今日の事がマイキーにバレてしまったと知り、アタシの顔から血の気が引く。


「タケミっちが和月の名前出した時、変だと思ったんだよ……」


マイキーが、アタシの耳元に口を寄せた。


「オレ、ケンチンには会うなっつったよな?」


低い声に鼓膜を震わされて、アタシの体がビクッと跳ねる。


「…………ごめん」


下手な言い訳しても意味ないな、と観念して、アタシは大人しく謝った。


「…絶対ぇ許さねぇ。和月の浮気者!」


ギューッ


「…んん?」


あれ?


アタシをギューギューと抱き締めながら、マイキーは不満の声を上げて怒る。


けど、それだけで……別に他は何もしてこないし、言ってこない。


……あ、これ大丈夫な怒り方だ。


「ごめんって、嘘ついたのは謝るから、放してー」


アタシはマイキーをグイグイと押し返しながら、なんとか腕だけ抜け出させた。


アタシ達の横ではタケミっちが、こちらを心配しながらオロオロしてる。


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