第4章 総長と副総長
宥めようとするドラケンを、タケミっちがキッと睨む。
「落ち着け!!?ふざけんな‼︎暴れてたのはテメーらだろ!!?」
「タケミチ‼︎」
そこへ、敦くん達が家から飛び出した。
敦くんが、後ろからタケミっちを羽交い締めにして抑える。
「ダメだよ、タケミチ‼︎死ぬ気かオマエ⁉︎」
「うっせぇーー‼︎放せ‼︎」
友達に止められても、タケミっちの怒りは収まらなかった。
「周りの事なんて、どうでもいいんだろ⁉︎」
「悪ぃーって!別に、オマエの事傷付けるつもりはなかったんだ」
謝るドラケンに、タケミっちは「眼中にねぇんだろ⁉︎」と怒鳴る。
「タケミチ、よせって‼︎」
「どうでもいいから、喧嘩なんかしてんだろ?」
マイキーとドラケンにそう言ったところで、タケミっちは暴れるのをやめた。
「……タケミチ」
敦くんが手を放すと、タケミっちはその場に膝をついて座り込む。
壊された思い出の品を前に、力なく項垂れて……
「アンタら…アンタら二人がモメたら、周りにどんだけ迷惑かけるか、わかってねぇだろ!!?」
次に顔を上げたタケミっちは、目に涙を溜めていた。
「ユウさんがどんだけ辛い思いしてるかも、わかってねぇだろ!!?ユウさんすっげぇ疲れた顔してたんだぞ!!!」
「!」
タケミっちが放った言葉に、アタシはギュッと手を握り込んだ。
二人を仲直りさせられないと悩んで、東卍の内部分裂を防ぐのに必死で、敵対チームも警戒しなくちゃいけなくて……
疲れてた、けど……
「隠せてなかったんだ……」
アタシは、タケミっちに気づかれてしまうくらい、疲れた顔をしてたらしい。
「二人を慕ってついてきた皆だって、モメちゃうんだよ!!?二人だけの問題じゃねぇじゃん!!!」
いつのまにかタケミっちの怒りの矛先は、大切な物を壊された事ではなく……マイキーとドラケンが喧嘩してる事自体に向いていた。
「東卍みんな、バラバラになっちゃうんだよ!!?そんなの悲しいじゃん!!!」
溢れる涙を、タケミっちはゴシゴシと腕で拭う。
「オレやだよ。そんなの見たくねぇよ‼︎」
そんな彼の言葉に、マイキーとドラケンは顔を俯けた。