第4章 総長と副総長
アタシが目を開けて再び外を見ると、マイキーとドラケンの怒りは最高潮に達していた。
「ここで決着つけるかぁ?」
「上等だぁ」
いや、ここで殴り合いさせるワケにはいかないでしょ……もう死ぬ覚悟でアタシが止めるしか……!
「──待てよ」
アタシが腰を上げようとした時、タケミっちが再び二人を止めに入った。
「テメェら、いい加減にしろや…」
タケミっちは、修羅のような顔で憤怒をあらわにしてる……思い出の品々をぶっ壊されたんだから無理もないけど。
「「あん?」」
互いを睨みつけてたマイキーとドラケンの目が、タケミっちに向けられる。
「タケミチがキレた…」
「ヤベェぞ、これ…」
焦った様子で呟く、敦くんとタクヤくん。
「「サヨナラ…タケミチ」」
その横で、マコトくんと山岸くんは涙を流しながらタケミっちに敬礼していた。
「オレの大切な思い出を、メチャクチャにしやがって‼︎」
マイキーとドラケンに睨まれても構わずに、タケミっちは二人に怒鳴る。
マイキーとドラケンが、自分達の足元を見た。
「…あ。」
「…いつの間に?」
地面に広がる惨状を、まるで初めて知ったと言わんばかりの二人の言動が、タケミっちの怒りを逆撫でる。
「ふざけんじゃねぇーー!!!」
怒りのままタケミっちが、マイキーへと殴りかかった。
まぁ、いくら怒ってもタケミっちだから、マイキーは普通に避けたけど。
ガシャガシャ ガッシャーン
タケミっちの勢いは止まらなくて、向かいのゴミ捨て場のゴミ山に頭から突っ込んでしまった。
「……」
「……タケミっち……」
窓枠握り締めて呟くアタシの後ろで、敦くん達も「ヤベェ」と呟いてる。
今日のタケミっち悲惨すぎ……
「大丈夫か?タケミっち」
ゴミ山の中で動かないタケミっちに、マイキーが声をかけた。
「うっせぇーー!!!」
怒声を上げながらゴミ山から抜け出して、タケミっちは再びマイキーとドラケンに迫る。
その様子を見て、敦くん達4人はタケミっちを止めようと部屋から飛び出していった。
アタシはまだ動けずに、ただただ外の様子を見てることしか出来ない。
「オレの思い出なんて、どうでもいいんだろ⁉︎」
「まぁまぁ落ち着け」