第4章 総長と副総長
マイキーもタケミっちのお見舞いだろうけど、よりにもよってドラケンと遭遇してしまうこのタイミングで、アタシが嘘ついた日に限って、来ちゃうなんて‼︎
「ヤベェぞヤベェぞ」
「マイキー君来ちゃった!」
マコトくんと山岸くんが焦りながら手招きすると、敦くんとタクヤくんも外を覗き込む。
「あわわわ」
「え⁉︎最悪のタイミングじゃん!」
「一触即発‼︎」
慌てた4人が、一斉にアタシを振り向いた。
彼らの言わんとする事がわかって、アタシは言われる前にブンブンと首を横に振る。
「無理無理無理無理!アタシには無理!」
「で、でも、あの二人の喧嘩止めれんのはユウさんくらいじゃ…」
「今見つかったらマイキーに殺される!」
「殺される⁉︎」
それか宣言通り部屋に閉じ込められるか、腰ぶっ壊れるまでヤられるか!いずれにしろ死ぬ!
「アタシ、マイキーからケンとは会うなって言われてんの!今日はマイキー騙してここに来てんの!」
「ええー‼︎」
「それヤバ過ぎね⁉︎」
慌てるマコトくんと山岸くん、その横でタクヤくんが「でもタケミチが…」と心配そうに呟く。
タケミっちは、確かに心配だけど……
アタシは身を縮めながら窓際に近づいて、マイキーに見つからないかビクビクしながら、それでもやっぱり気になるから、目だけを覗かせるように外を見た。
「オレはタケミっちのお見舞いだよ」
「オレもそーだよ」
タケミっちを挟んで、マイキーとドラケンは睨み合う。
「は?タケミっちはオレのダチだし、オマエ関係ねえじゃん。なぁ?タケミっち」
「へ?えっと…」
「あ?何言ってんの?オレのダチだよなぁ⁉︎タケミっち」
「あぅ…えっと」
うわ、タケミっちメチャメチャ困ってる……助けてあげられなくてごめんね!
「どけよ、“デクノボー”。通れねーよ」
「あ?オマエがどけよ、“チビ”」
「ちょ…ちょっと、ちょっと待ってくださいよ、二人共!」
「「あ⁉︎」」
止めに入ったタケミっちに、マイキーとドラケンの鋭い目が向いた。
「アイツ止めに入ったぞ!」
「い!」
「死にてーのか⁉︎」
「折角助かったのに!」