第2章 参謀の仕事
「ぶつかるなら武蔵祭りのタイミングだ」
そこまで話したところで、マイキーは「じゃあ」と石段に腰を下ろした。
「みんなの意見を聞かせてくれ」
「?????」
話について来れてなさそうなタケミっちを見かねて、ドラケンがタケミっちの近くに立ってる三ツ谷へ声をかける。
「三ツ谷、タケミっちに教えてやれ」
「ウッス」
三ツ谷はタケミっちに一歩近づき、彼の為に説明を始めた。
「〝愛美愛主〟は、オレらの2つ上の世代で、新宿仕切ってる暴走族だよ」
「え⁉︎ここらを仕切ってるのは東卍じゃ⁉︎」
「東卍は渋谷ネ、新宿は別。それに東卍(オレら)は、まだ新しいチームだしな」
(衝撃だ…この時代には、東卍よりデカい暴走族があるんだ…現代(みらい)じゃ最強なのに)
「んで、抗争っていうのが…」
ドッ
「!うおっ」
いきなり、パーちんがタケミっちの背中を蹴り付けた。
「痛って!何すんだ…」
「あ?文句あっか?」
相手に文句を言おうと振り向いたタケミっちにペーやんが凄んで、タケミっちは迫力負けして黙ってしまう。
「パー!アンタ何やってんの⁉︎」
アタシは石段を降って、タケミっちの元に向かう。
「オマエ、花垣だろ?」
「喧嘩賭博の件で、ウチの隊のキヨマサが世話になったのう‼︎」
パーちんとペーやんはお構いなしに、タケミっちを睨むのをやめない。
「どー落とし前つけんだコラ」
「お、落とし前?」
ドンッ
アタシはタケミっちの前に立って、ペーやんの肩を押した。
「ペー、退がって。パーも!何今頃になってキヨマサの話持ってきてんのさ」
「ああ?」
相当苛立ってんのか、パーちんはアタシにまで凄んできた。
「総長の客に手ぇ出すなや、パー」
三ツ谷も、パーちんを止めに入る。
「キヨマサの件は、アイツが勝手に東卍(ウチ)の名前使って、喧嘩賭博なんてやってたのがナシって話だろ?」
「寧ろ、アンタ達がタケミっちに詫び入れなきゃいけない立場でしょーが」
アタシあの時ちゃんと説明したんだけどな…
「あ⁉︎オレぁバカだからわかんねーんだよ、ンなコト‼︎」
「パーちんの脳みそはミジンコだぞコラ‼︎」
「わかんねーなら出しゃばんなボケ‼︎」