第2章 参謀の仕事
「……マイキーさ、エマ来るならそっち送ってあげた方が良かったんじゃないの?」
「エマはケンチンが乗せてったからいーんだよ」
「!そっか…エマ嬉しかったろうなぁ」
タケミっちの方が落ち着くまで、アタシとマイキーはそのままくっ付いてた。
───数分後
「タケミっち、終わったかー?」
「すいません、お待たせしました」
タケミっちは生きて帰ったけど、ちゃんとヒナちゃんと仲直りできたのかな?
ヒナちゃんは……エマと一緒に居るね、よしよし。
「オラ集まれテメーら‼︎集会始めっぞ‼︎」
ドラケンの号令で、みんなが一斉に上の神社の方へと移動していく。
それを見てアタシは、いまだくっ付いてるマイキーの肩を叩いた。
「ほら総長、行くよ」
「んー」
バブから降りて、アタシ達も神社の方へ移動する。
マイキーを先頭に、ドラケン、アタシ、タケミっち、そして各隊の隊長達が、中央の石畳の道を進む。
「「「お疲れ様です‼︎総長!!!」」」
道の両脇には隊員が整列していて、みんなが一斉にマイキーへと頭を下げた。
タケミっちはその迫力にビクビクしてたけど、なんとかアタシ達の後をついてきてた。
拝殿前の石段で各隊長達は足を止めて、マイキーとドラケンはその上へと登る。
「タケミっちは、そこにいてね」
「は、はい…」
アタシが階段の向かって右の位置を指差して言うと、タケミっちは返事をして大人しくその場所に立った。
アタシも石段の上へ登り、みんなの正面に立つマイキーの、左斜め後ろ…ドラケンと対称に見える位置に立つ。
隊長達も隊員達も皆が皆、真っ直ぐマイキーへと双眸を向けた。
(すげえ…マイキー君が皆の前に立っただけで空気が変わった。これが、東卍の総長…‼︎)
その視線を受け止めながら、マイキーは口を開く。
「今日集まったのは、〝愛美愛主〟の件だ。ウチとぶつかりゃ、でかい抗争になる」
(メビウスと抗争!!?なんだソレ⁉︎メビウスって何?ナオトからの情報に、そんなのねーぞ⁉︎)
アタシがチラッとタケミっちを見ると、タケミっちは混乱したような顔をしてた。
いきなり抗争なんて聞いたらビックリするよね。