第2章 参謀の仕事
あの女の子達は東卍メンバーの彼女だったり、不良寄りの女友達だったり……集会には参加しないけど、自分の彼に付き合ってよくここまで来てたりする。
「オイ!エマ‼︎」
「ハーイ」
ドラケンが呼ぶと、女の子達の中で友達と話してたエマが、すぐこちらに向かって来た。
「そっか、今日エマ来てたんだ……」
「へ?エマ…って──⁉︎」
聞き慣れない名前に戸惑いながらエマの方を見て、タケミっちは目を見開き口をあんぐりと開けた。
「このコ、タケミっちの彼女(ヨメ)だから、しっかり守っとけ」
「りょ〜か〜い」
ドラケンに間延びした返事をして、エマはヒナちゃんを見、次にタケミっちを見る。
「あ。」
すると、何故かニコッと笑いながらタケミっちへ手を振った。
「よっ、いくじなし君♡」
「!!!」
タケミっちの顔がピキッと凍りつく。
「誰の事?〝いくじなし君〟って?」
「オマエ…エマと知り合いなの?」
ヒナちゃんとドラケンが同時にタケミっちを見る……心なしか、怒りオーラのようなものが見えた気がした。
(波乱の展開!!!!)
「〝いくじなし君♡〟って、どーゆー事ですかぁ?」
「ち…違うんだ、ヒナ‼︎オレはなんも覚えてなくて…これ本当‼︎」
タケミっちは慌てたようにヒナちゃんに弁明しようとするけど、そこにエマの追い討ちがかかる。
「エマの下着姿見たくせに逃げた、いくじなし」
「へーー、そんな事があったんですねーー」
底冷えするようなヒナちゃんの声に、タケミっちは益々顔を青くして、涙を浮かべる始末。
「あったのかなーー?んーー?本当に記憶がないんだよぉ」
タケミっちは、怒れるヒナちゃんに連れてかれてった。
タケミっち、死す……なんちゃって。
「タケミっち、いつのまにエマと知り合ったんだろ」
「知らね」
マイキーは興味なさそうに言って、体を後ろに傾けアタシに背中を押し付けるように寄りかかって来た。
顎と首元にマイキーの髪が当たってくすぐったい。
「コラ、今は総長らしくする時間でしょーが」
「タケミっち待ってる間くらい別にいーだろ」
「……寝ないでよ」
「んー」
くっ付いてると暑いけど、押し退ける事はせずアタシはマイキーの頭に顎を乗せる。