第9章 参謀の策略
「オマエは何がしてぇんだ?タケミっち。マジで死にてぇの?」
(オレは…何がしたい…?)
アタシは、タケミっちに目を向ける。
「マイキー君」
タケミっちは、戸惑ったように一瞬目線を下げた。
(オレのしたい事……そうだ。マイキー君に場地君を連れ戻せって言われて、連れ戻したら稀咲をクビにできるって思った)
マイキーの迫力に圧された?
(稀咲を東卍から追い出せば、未来が変わって、ヒナは助かるかもしれない…)
タケミっちは無言のままで、マイキーはそんなタケミっちをじっと見つめる。
(──ちがう!!!あの時誓った事は、そんな事じゃない!!!)
アタシが庇ってやるかと迷ってる間に、タケミっちが顔を上げた。
真剣な眼差しで、マイキーを見返して
「オレは──東卍のトップになりたいです!!!」
そう宣言した。
「……⁉︎」
予想外過ぎる言葉に、アタシは面食らってしまう。
東卍のトップって、何言ってんのコイツ。
「いつかマイキー君に、それを認めさせてみせる‼︎それがオレのしたい事です!!!」
どこかズレていて、間抜けにも思える宣言に、いつものアタシなら怒るかからかうかするトコなのに……
そんな事考えもしないうちに、タケミっちは「失礼します‼︎」とマイキーに頭を下げてこの場から去って行ってしまった。
タケミっちと千冬が霊園から出て行ったところで、ドラケンが「ハハ」と笑い出す。
「バカだな…あいつ」
「ホントだよ!」
遅れてやってきた怒りにアタシは腹立てたけど、ドラケンは対照的に笑ってた。
「…だな」
マイキーも、笑ってた。
さっきは鋭くタケミっち睨んでたクセに、今は楽しげ……
「………」
まぁ、辛い顔されるよりよっぽどいいけど。
「マイキー」
「ん?」
「アタシ、もっかい真一郎と話してくる」
マイキーとドラケンが驚いた顔をするのに、アタシは構わず墓へと踵を返した。
「和月!」