第7章 総長と参謀
「真一郎……」
「………」
マイキーが立ち上がり、次にエマが墓前で手を合わせる。
今度はエマを見守る為に、アタシは動かないでいたら、マイキーがアタシのさっきとは反対の隣に蹲み込んだ。
アタシは合わせてた手を解いて、片手をマイキーに差し出す。
マイキーは、すぐにアタシ手を取った。
繋がれた手をギュッと握り返しながら、二人でエマを見守る。
「………」
お墓参りってさ、生きてるアタシ達は「元気だよ」って伝えてあげるのが一番なんだろうけど……「寂しい」「会いたい」って、アタシはどうしても思ってしまう。
マイキーとエマの前でだけは涙を見せないように、アタシは込み上げてくる感情に蓋をした。
蝋燭の火が消えるまで真一郎を祈って、アタシ達はお墓を後にする。
立ち上がったらマイキーはアタシから手を離して、先に歩き出していた。
来た時と同じように、エマはアタシの隣にピッタリくっ付いて、二人で「また来るね」と墓石に声をかけた。
霊園の外に出たところで、エマは腕を上げてぐーっと伸びをする。
「ん〜!ずっと座ってたら体固まったぁー」
「そーだね」
お墓参りする前より、エマの表情はスッキリして見える……それを見て、アタシは内心ホッとした。
「じゃあ、ウチはこのままドラケンのお見舞い行くから」
「毎日熱心だねぇ」
微笑ましくて笑うアタシに、エマは頬を赤くしながらアタシの肩をペシッと叩く。
「どーせ、マイキーはユウと二人っきりになりたいんだろうし?邪魔なウチは退散してあげんだから、有り難く思ってよね」
「別に邪魔なんて思ってねーけど」
エマがマイキーに目を向けると、マイキーはプイと顔を逸らした。
「ホントに?じゃあこのまま、ウチがユウとデート行ってもいーの?」
「は⁉︎ダメに決まってんだろ!」
グイッ
「!わっ」
ムキになったマイキーから急に腕を引っ張られ、アタシは力負けしてマイキーに抱き寄せられる。
マイキーは後ろからアタシを抱き締めながら、「和月はオレの!」とエマに言い放った。
「マイキー!エマ相手に大人げないマネしない!」
アタシが怒ると、マイキーはぷくっと頬を膨らませる。