第6章 決戦を越えて
今更タケミっちを敵や悪人とは思わないけど……どうして気付けたのか?という疑問は残る。
「オマエは、一体何者だ?」
マイキーは、その黒い瞳でタケミっちを見据える。
「……オレは、オレは…」
タケミっちは答えに困ってる様子だった。
(まさかマイキー君、全部気付いてる⁉︎)
動揺するタケミっちを、しばらく見つめたマイキーは……そのうち、クスッと笑い出す。
「なんだそのダセェ格好?いつもダセェけど」
「え⁉︎」
「あーそれ、アタシもツッコみたかった」
シャツのボタンを2個開けた着こなしに、OUTLAWとプリントされた短パン……あんなんどこに売ってんだろ?
「えっと、これは、そのっ」
「……」
トンと、マイキーが塔屋から降りた。
「まぁ、いーや」
「え?」
「オマエのおかげでケンチン助かったワケだし」
マイキーは、タケミっちのトコに歩いてくと、スッと左手を差し出す。
「ありがとな………タケミっち」
タケミっちも左手を出して、二人はガシッと握手をした。
「……?」
何で左手なんだろ?握手って普通は右手でするもんなのに……
握手の後、帰るというタケミっちに、アタシはついて行こうと思って塔屋から降りた。
「マイキー、アタシ下までタケミっち送ってくるね」
「え?」
「……ちゃんと戻って来いよ」
「ん。」
マイキーは塔屋の上に戻って、またゴロンと寝転んだ。
「じゃ、行こっか。タケミっち」
「は、はい…」
アタシはタケミっちと一緒に、屋上を後にする。
「……ユウさん」
「ん?」
病院の外まで歩いてく途中、タケミっちがアタシに話しかけた。
「その…ずっと、ユウさんに聞きたかった事があるんスけど」
「何?」
タケミっちは、「怒らないで聞いて欲しい」と前置きしながら、アタシに話し始める。
「ユウさんは女の子なのに、どうして東卍の参謀なんてやってるんですか?」
「!」
アタシはタケミっちの目を見る。
「………」
少しでもアタシを馬鹿にする気があって聞いてんなら、めっちゃ怒るトコだけど……どうやら真剣に聞いてるみたいだから、怒らないでおいた。