第6章 決戦を越えて
アタシがマイキーの頭を撫でると、マイキーは気持ちよさそーに目を閉じた。
握ってたアタシの手を口元に持ってって、チュとキスをする。
手の甲のくすぐったさに、アタシは少しだけ反応してしまった。
──ガチャッ
その時、出入口のドアが開き、誰かが屋上にやって来た。
キョロキョロと動く金髪頭を見て、アタシは声をかける。
「こっちだよ、タケミっち」
「!ユウさん、マイキーく──⁉︎」
振り向き塔屋の上を見上げたタケミっちと、アタシの目が合った。
タケミっちは、絶賛膝枕中のアタシとマイキーを見て、ギョッと驚愕する。
「おっ、お邪魔しました⁉︎」
「あー、気にしないで。全然お邪魔じゃないから」
顔を真っ赤にさせてるタケミっちに、アタシは思わず笑ってしまう。
「ケンには会えた?」
「あ、はい!」
「そっか、良かった」
アタシが「起きて」とマイキーの頭をポンポンと叩くと、マイキーはゆっくりと体を起こす。
起き上がったマイキーは、無言のまま、黒い瞳でじっとタケミっちを見つめた。
「マイキー君…?」
「……スッキリしねぇ」
「え?」
唐突に話すマイキーに、タケミっちは戸惑った顔をする。
それに構わずマイキーは、「頭のモヤモヤが消えねぇ」と言いながら立ち上がった。
タケミっちに背を向けて、マイキーは遠くを見る。
「何の為に、半間は東卍の内部抗争を企てた?なんでキヨマサ一派を使って、ケンチンを殺そうとした?」
「……」
それが考えてた事かと、アタシはマイキーの背中を見つめた。
「一番の謎はさ」
話を続けながら、マイキーはタケミっちを振り向く。
「内部抗争の事も、ケンチンが狙われてる事もいち早く気づき、止めようとしていた──オマエだよ。タケミっち」
「!………」
マイキーの言葉に、アタシはタケミっちへ目を向ける。
確かに今までも、タケミっちに引っかかる事はあった。
東卍と愛美愛主の抗争を止めようとした事、パーちんに殴られても引かなかった事、マイキーとドラケンの喧嘩を必死になって止めた事、決戦の最中でドラケンを探し続けてた事……