第6章 決戦を越えて
集会では、ペーやんは隊員達の前に立って、自分のした事を謝罪した。
隊員から上がる、ペーやんを受け入れる声や、励ます声が多かった事に、アタシは心底安心した。
勿論、ペーやんに厳しい目を向けるヤツも居たけど……アタシに「約束する」と答えてくれたペーやんなら、きっと大丈夫だと思う。
◇◆◇◆
8月7日、ペーやんと一緒に、パーちんの親友に会いに行った。
愛美愛主は実質壊滅となった事、長内と実行犯はちゃんと逮捕された事を、パーちんに代わって親友に伝える為に。
パーちんの親友の話から、意識を取り戻した彼女が順調に回復に向かってる事を知ったけど……素直に喜ぶ事は出来なかった。
体の傷は治ったとしても、心の傷はそう簡単に癒えるモンじゃないから……
もう二度と、不良の世界に巻き込まないようにしなきゃ……呟くアタシに、ペーやんも強く頷いた。
◇◆◇◆
そして今日───8月8日
都内某所、ある建物の地下……
「足元、気を付けてください」
「うん。ありがと、三途」
階段を下った先を進んだ奥にある、広い部屋。
三途に(不本意な)エスコートされながら、アタシはそこに足を踏み入れた。
「参謀、お疲れ様です」
「「「お疲れ様です‼︎」」」
アタシへ一斉に頭を下げる隊員達の声に、部屋の空気がビリビリと揺れる。
「ヒッ…」
「ハァ…ハァッ」
それに対して喉を鳴らして怯える、男が5人。
いずれも手足縛られた状態で床に転がされてて、ここまで運ばれるのに抵抗して痛め付けられたのか、既に体のあちこちに傷や青痣を作ってた。
アタシは、その男達の前に立ってるムーチョの元に歩いて行き、彼の隣に立つ。
「おう、ユウ」
「お疲れ、ムーチョ」
「コイツらで間違いねぇな?」
「……うん」
顔を真っ青にして怯える男達の顔と、記憶の中にある顔とを比べて、目的のヤツらだとアタシはムーチョに頷いた。
「ごめんね、面倒な事頼んで」
「気にすんな。これが、伍番隊(オレら)の“仕事”だ」
アタシは、スタスタと男達の元に歩いて行き、ヤツらの元に向かう。
「アンタら、自分が何の為に連れて来られたか、わかる?」