第6章 決戦を越えて
アタシが起きた時にはお互い裸だったけど、ちゃんとマイキーが服着て部屋出てきてる事に安心する。
アタシは、ぐりぐり頭を擦り付けてくるマイキーを引きずりながら、食卓に着いた。
マイキーも剥がして座らせて、4人揃って手を合わせる。
「いただきます」
「んー美味しい♡」
「良かった」
卵焼きを頬張って、エマは幸せそうな顔してた。
めっちゃ可愛い。ずっと見てられる。
「んまい」
甘い物好きなマイキーも、真っ先に卵焼きだけ食べ切った。
逆にしょっぱい物好きな先生は、甘い卵焼きにも容赦なく醤油かけてる。
次作る時は出汁巻きにしよ。
◇◆◇◆
朝ごはんを食べ終わり、洗い物も終わらせてから、アタシはマイキーの部屋に戻った。
ソファに腰掛けて、携帯を開く。
メールして、電話して、メールして……重たい頭を片手で押さえた。
「うー…ねーむい」
「寝ればいーじゃん」
「!」
声がして横を見れば、そこにはこちらを見つめるマイキーの姿。
いつの間に部屋戻ってきてたんだろ……全然気づかなかった。
マイキーは、肘掛けに肘を付いた上に顎を置いた体勢で、流し目で眺めるようにアタシを見てる。
エマに結って貰ったのか、ボサボサだった髪はいつものポンパドールになってた。
「オレ、ケンチンの家寄って病院に着替え届けて来るから。オマエは寝てろよ」
「アンタが行くなら、アタシも一緒に行くよ」
「どーせまだ面会できねーし。オレ一人でいい」
「……ん、じゃあお願い」
正直、ドラケンの事以外にもやる事があるから、マイキーが行ってくれるのは有り難かった。
「寝る?」
「やる事終わったら寝る」
「ダメだ。今すぐ寝ろ」
「そういうワケには行かないんだよね〜」
笑って返すアタシに、マイキーはムッと眉根を寄せる。
ソファから体を起こしたマイキーが、アタシに距離を詰めて来た。
パッ
「!あ、ちょっ」
マイキーが、アタシの手から携帯を奪い取った。
アタシが「返して」と手を伸ばすのに、マイキーはニッとイタズラっぽく笑って……
「隙あり!」
「⁉︎」