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【東京卍リベンジャーズ】One Heart

第5章 8月3日


アタシは手を伸ばして、マイキーの顔にある涙を拭いてやった。


拭き終わってからハンカチを鼻に当てると、マイキーはチーンと鼻を擤んだ。


「自分でやりなさいよ」


アタシは溜息を吐きながら、ハンカチを折り畳んでポッケに突っ込む。


空になった手を、マイキーの手に掴まれた。


グイッ


「わっ」


掴まれた手を強く引っ張られて、アタシは蹲んでた体勢からバランスを崩す。


アタシの体は飛び込むように、マイキーの上に倒れ込んだ。


マイキーの胸の位置にアタシの顔があって、マイキーの腕にギューッと抱きしめられる。


「和月…」


「ん〜〜!」


息苦しさにアタシは抵抗するけど、マイキーは力を緩めない。


待って待って、この体勢キツい!


アタシが、手を上げてバシバシとマイキーの腕を叩くと、やっとマイキーの腕が少し緩まった。


「あー、苦しかった」


アタシはマイキーの肩を支えに、足に力を入れて体を浮かせ、そのままマイキーから離す。


ガシッ


「何で離れんだよ」


離れようとするアタシの手を掴んで、マイキーは不満げにアタシを睨んできた。


「えーだって、もう帰んないとエマが心配するでしょ」


「………」


アタシは、マイキーに掴まれた手を引いて、マイキーを地面から立ち上がらせる。


「みんなももう帰ったろうし、顔見られる心配もないよ?」


「……別に、んな心配してねーし」


アタシが、マイキーの赤くなった目元と鼻先をつついて笑うと、マイキーは不機嫌そうに頬を膨らませた。


その頬も少し赤くなってる。


可愛いなと思って、アタシはまた笑った。


「さ、帰ろ」


アタシは、マイキーの手を引いて歩き出す。


マイキーも大人しく歩き出した。


表に戻って、アタシ達は駐車場に向かう。


バブの前に着く頃には、マイキーは逆にアタシの手を引くくらいに調子を取り戻してた。


「エマは?」


「ヒナちゃんとタケミっちと一緒に、タクシーで帰らせたよ」


「ふーん」


エマが浴衣じゃなかったら、マイキーとバブで帰らせることも出来たけど……ヒナちゃんも歩かせずに済んだから、結果的に良かったと思う。


アタシ達はバブに乗って、病院を後にした。


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