第1章 東卍の参謀
ドガ ド ゴ ゴッ
なんて考えてる間に残りの溝中不良は、ドラケンが全部ノシてしまった。
その後「オマエらも手伝えよ」みたいな目を向けられたけど、アタシは気付かないフリして3組の教室を覗く。
すると見覚えのある金髪を見つけたから、ガラッと躊躇なく教室の扉を開けた。
アタシの横からヒョコっと、マイキーが教室に顔を覗かせる。
「お♡いたいた」
「え?」
マイキーは我が物顔で教室に踏み込んで、その金髪──タケミっちの元まで歩いてく。
教師の「授業中…」って呟きは完全無視された。
「遊ぼうよ、タケミっち」
(メチャクチャや、この人!!!)
タケミっちは、驚愕のあまり目を見開いて口をアン開きにしてた。
「ほらほら」
「え?は、はい!」
マイキーに手を引かれながら、タケミっちは教室の外に出てくる。
「やほやほ、タケミっち。昨日ぶり」
「ど、どもっす…」
アタシに返事をしながら、タケミっちは目線を泳がせ……さっきドラケンがノシた不良達を見て、また目を見開いた。
「さ…3年生の皆さん?なんスか?コレ」
「あ?コレ?このゴミ?なんかムカつくから、全員ノシといた」
ドラケンが答えると、タケミっちは黙り込む。
なんかまたビビって混乱してるね?
「オマエら全員ここに並べー」
「え?」
「うつぶせな?」
ドラケンの命令に、ノサれた不良達は訳がわからないという顔をした。
その後マイキーに睨まれて、不良達は慌てて命令通りに廊下にうつぶせに並んでいく。
「おいおい離れすぎだよ。痛ぇのはオマエらだよ?」
「へ?」
「何が行われるんだろう」
全員がうつぶせになったのを確認して、アタシは迷わず一番手前の不良の背中を踏んだ。
「おふっ」
「アバッ」
「ぎゃふっ」
アタシ、マイキー、ドラケンの順で、アタシ達は不良達の背中を踏みながら廊下を進んでく。
「神泉でUSGが幅利かせてるらしーよ」
「USGって宇田川の?」
「いーじゃん。ぶっ飛ばしに行こうよ」
なんて会話をしながら、不良達を踏み潰す。
さっきアタシの腕を掴んでマイキーにぶっ飛ばされたヤツは気絶したままだったけど、マイキーに力一杯踏まれててちょっと可哀想だった。