第5章 8月3日
「サッサとかかってきなさいよ。東卍の女参謀が相手になったげる。討ち取ったら大金星でしょ?」
「クソアマがナメやがって…!」
「テメェも、この前の女みてぇにしてやるよ」
「精々楽しませろよ、女参謀ちゃん♡」
“この前の女”……?
ヤツらが口走った言葉に、アタシは心がざわついた。
「今回はどんだけモツか、楽しみだな」
「最高記録目指そーぜ」
「この前潰したのよりイイ女だしなぁ⁉︎」
ああ、そっか……
「アンタらが、実行犯か」
長内の命令でパーちんの親友をボコし、家族を吊るし、彼女を輪姦したクソ野郎共。
「やっちまえ」
リーダー格の男がそう言うと、ヤツらは一斉にアタシに襲いかかってきた。
ガッ スパンッ!
一番最初に届いた拳を受け止めて、ソイツの顔に振り上げた右足を叩き込む。
「がっ!」
顎を蹴り抜かれたソイツは、脳みそ揺さぶられる衝撃に耐えられず、バランスを崩して地面に倒れてしまった。
「よくアタシの前に現れてくれたね……アンタらの事、ずぅっと探してたんだよ」
驚愕して動きを止めるヤツらを、アタシは冷たく睨む。
「パーの仇は……アタシがぶっ殺す」
今度はアタシから、ヤツらに向かっていった。
ゴ ド ガッ
女だからってナメてかかるヤツも、仲間が一撃でノサれてビビるヤツも、負けてたまるかと力んで大振りになるヤツも、蹴散らして。
ガン ドッ バキッ
後ろから羽交い締めにしてきたヤツも、その隙に殴ろうとするヤツも、その辺にあった角材を手に取ったヤツも、打ちのめして。
アタシは、愛美愛主の隊員6人を、全員地に伏せさせた。
「ふぅ……」
ちなみにアタシは無傷……この程度の相手に一撃でももらって、マイキーに怒られたんじゃたまんない。
アタシは、ヤツらが気絶してる隙に特攻服を脱がせ、それを使ってヤツらの手足を縛った。
ヤツらが持ち出してきた角材を拾い上げて、ゆっくりとヤツらに近づく。
リーダー格のヤツの上に立って、アタシは角材を振り上げ、そして振り下ろした。
バキッ
「ぎゃっ」
「今のは、パーの親友をボコった分ね」
耳障りな悲鳴を聞きながら、アタシはまた角材を振り上げる。