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体は子供頭脳は大人 僕、五条悟(4歳)

第3章 目覚めろッ!母性!


大人に負けずこの勘の鋭さよ…、怒ったらこの少年時代のスレた彼が何をするかなんて想像出来ない。今は何故か私に懐いているから世話をしやすいのだけれど駄々をこねてはぐれてしまったら取り返しがつかないから機嫌を損ねないようにしないと。
高専の車を一台借りた、その車の後部座席のドアを開けて彼を乗せて。小さい子だし、しっかりとシートベルトを大人が締めてあげなきゃ、と車の外から上半身を突っ込んで悟にシートベルトを着用させる。
カチン、としっかり固定された所で悟と目が合った。

「他の人に出掛けるって言わなくて良いの?」
『うーん…本当は私、他の大人の人とかと一緒じゃないと出掛けらんないんだけどね……状況が状況だし…』

悟に言いたくても大人の彼は居ない。代わりに子供の彼が目の前に居る。ふたりだし出掛けるられるよね、と自分に言い聞かしつつ出かけようとしてるんだけど。
悟は笑う。小さいながらにふっ、と笑うとこの時代から顔が良いのが現れてるのがはっきり分かる。格好良いっていうよりも可愛い、整ってるって顔だな、この頃の悟は。

「……の事は俺が守ってあげるから、安心して買い物しなよ」

『…あ、ありがとう悟君?』

小さなナイトにちょっぴりキュンとした。
実際、私はひとりで行動するなと言われている。触れて人から怪我や病といった"負"を吸い取り、"正"を代わりに与える。吸い取った"負"は髪に移り、白髪化して、地毛状態の髪一本一本に身代わり用の呪力が蓄えられる。白髪化が進めば吸い取った"負"は呪力として蓄えている為に呪力量は膨らんでいるんだけれど、全ての地毛が白くなった時に新たな"負"……ダメージを喰らえばどんな些細なものでも死ぬ。それが私の家系、"春日の一族"。
昔からその身代わりの一族は呪術師に、また一部の非術師に求められていたっていう。都合の良い道具というか、奴隷というか…決して良いものじゃないのだけれど怪我をすぐに治せるからと手に入れようとする人は昔から多かった。

まあ、昔は多産な時代でボコボコ生まれてボコボコ死んでもなんとかやってきたんだろうけど、今じゃ私と祖母しかいない終わりかけの一族なんだけれどね。
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