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体は子供頭脳は大人 僕、五条悟(4歳)

第1章 呼び出しを食らいました


子供ならではの体温の高さと柔らかさ、軽さ。
……おー、久しぶりに小さい子を抱えたかも。父親側の親戚の年下の子を抱っこして以来のちびっことの触れ合い、悟君は程よく重さはあるけれどすぐ降ろす程ではない。大人の悟だったら抱っこなんて出来ない、ギリ、おんぶで呪力での体力強化でなんとか走れるかくらいかな……。普通にデカすぎて走るにも不便だろうけど。
悟君をぎゅっと抱えたままに私は医務室へと走る。小さい子を抱えてるから転ばないように注意しつつ。時折直ぐ側のこじんまりとした顔を見るとやっぱり悟にそっくりで。

『……後で悟君のお父さん?悟にじっくりとお話をしてみたいなー!言葉じゃなくて拳でよく語り合いたいかも!』

「は?なにそれ?」

訝しむ表情の悟君。そりゃあ君の種親だろう人を問い詰めるかんな?という事は言えない。付き合っておきながら以前に付き合ってた人と子供が居ますとか事前に言ってくれたらもうちょっと覚悟なり、付き合う事なり考えられたのに。

『いや……こっちの話っ!そろそろ着くよー』
「だから前見て走りなよ、おねえさんどこに目がついてんの?」

……ちっくしょー!心配そうな顔でサラリと毒が出る口はなんなのさっ!?言葉を飲み込み医務室へ早く行かないと、とひいひい走った。
タッタッタ、と走る速度を下げて医務室のドア前へ。電気は着いてる、だいぶ遅れてしまったけれど硝子は中で待ってるハズだから。
ドアを開けて『遅れました!』と中へ一歩進む。
すると中にはいつものようにデスク前のキャスター付きの椅子に足を組んで座って待つ硝子……と。いつもと違うふたりがいた。
診察用のベッドに腰掛けるさっき遭遇した夜蛾学長、それから診察用の椅子に座る夏油。別に夏油や夜蛾学長が硝子に手当てされてるってわけじゃないけれど、入ってきた私を一斉に見る。そして抱っこする悟君がぎゅう、と首にしがみつき左頬に顔をびたーっと柔らかい頬を押し付ける。あっほっぺ柔らかい…コンビニスイーツのぺこちゃんのほっぺを思い出すしっとりもちサラな頬……さっきまでの悟君へと怒りがさらさらとどっかに消えていく気がした。
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