第6章 オマエがママになるんだよ
苦笑いで言う夏油はしょうがないとして真顔の悟に言われてショックだった。『あ、すんません…』と、頭を下げつつ悟の着替えを夏油の元に渡し、私の着替えと部屋着を持ってそそくさと浴室へと向かう。
悟の幼児化、私の術式で解呪できれば良かったのだけれどいくら試みても無駄で。自然に待つしかないのか、と先の見えない状態に登校中はどうするんだろう?トトロでいう、メイみたいにお絵かきでもさせてるようなのかな?と服を脱いでいき、浴室へと入る。
体や髪を洗って歯磨きをして。
……明日も明後日も悟が元に戻らないのであればお風呂も毎度夏油に来てもらうのは負担が掛かる。七海とか……は絶対嫌がるな。虎杖や伏黒に手伝って貰うべきかな、と湯船に浸かっている時だった。
ドタドタと軽めな足音。狭めな、洗面所&脱衣所ゾーンで立ち止まってる気配。
そのドアを見ていればガラッ!と勢い良く開けられてすっぽんぽんな悟が洗い場から湯船へと駆け寄って来てざぶん!と乱入してきた。ドアは半開き、やりっ放しだコレ。子供だからと許されるもんじゃないぞ。
『うわっぷ!……さ、悟くん!?』
勢い良かった為にお湯が跳ねる。私の体をまたぐように、湯船で私の体に座って向かい合う状態になってる。
『お風呂はさっき夏油さんと入ったでしょ、あまりあったまるとのぼせるよ?……それに男の子が女の人と一緒に入っちゃ駄目だからね?』
至極まともな事を言ったつもりだけど、悟は首を横にぶんぶんと振って私の両腕を小さな手で掴み、駄々をこねた。
「やだ!おかあさんとが良いっ!」
『ゴハァ、そ、そういうの…っン゙、私は悟くんのおかあさんじゃ…っ』
ぷりぷり怒った顔で私が良い!とか言った後に、子供らしい顔つきで上目遣いにじり、と近付く。
「……ママって言われた方が良かった?」
『ミ゙ッ』
──これ、一生悟の姿が元に戻らないって言われたら養子にしようかな…。
可愛さに悶え、口元を手の甲で隠す私に悟はもみっ、と胸を小さな手で揉みしだく。興味津々の表情でじっと湯船の上にある胸を揉みながらそこから視線を離さない。
「ねえ、おっぱいって出るの?吸って良い?飲んでみたいから吸っても良いよね?」