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体は子供頭脳は大人 僕、五条悟(4歳)

第1章 呼び出しを食らいました


ぬいぐるみを良く作ってるから子供が可愛いもの好きなのはなんとなく知ってた。それが子供が好きだからってことでした、ならまだ納得出来る。でも、ホイホイついて来るのをアレコレしてる、はそれはアカン。
この小さな子に助けを求められたのならばそれに答えなくちゃ。少しだけ険しい顔で学長を私は見上げる。夜蛾学長は非常に焦っていた。
「ま、待て、、私は別にそういう変な事をしようとしてるわけでは……」
「ほら、走るよ!おねえさんまでオジサンに変な事されたいの!?」

背後からぐいぐいと引っ張る少年。子供にしては力強い……というか呪力での身体強化でもしてるような引っ張る力。立ってるのにも私のバランスが崩れ、足がもつれる程の少年の勢いにそのまま私は走り出す。
元来た道を逆走だわ、これ。角を曲がる際に振り返った学長が手を伸ばし掛けて言い淀んで。

「……っ、とにかくその子の世話を頼むっ!」

壁で見えなくなった所で私の耳が拾った言葉はそれだった。
散歩に行く時のやんちゃな大型犬の如くぐいぐいと引っ張る白髪の少年。引っ張られるままに走ってる。めっちゃ早いな、瞬足でも履いてんのかな。走りながらにじろじろと少年を観察した。
……うーん、やっぱり似てるんだよなあ、悟にさ?

「前見て走んないと転ぶよ?子供に注意されてるとかおねえさん馬鹿なの?」

前方ってか進行方向斜め下の少年がちら、と見上げながらの毒舌。どういう視界してんの、この子ったら。
……これには思わずしかめるわ。こ、このクソガキャア…!溢れ出そうな怒りを閉じ込め、へらへら笑っておく。

『お、おほほ大人のクセに馬鹿で悪ぅござんしたねっ!だからこうやって学校で知識を取り込んでるんざますよ?
……ていうか君、どこの子なの?さっきの学長…サングラスのおじさんの知り合いとか?』

大人げなくキレちゃ駄目だ、ここは出来るだけ笑顔でいかないと……と心掛けつつ生意気少年の保護者について伺おうと。
私の手を引っ張る少年は、授業中でそもそも人が少ない高専の…教室もない静かな廊下で駆けていた足を緩やかにして立ち止まる。
口は悪いけれど、顔は無垢な少年。ちょっと面白く無さそうに手はぎゅっと掴んだまま私を見上げた。
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