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体は子供頭脳は大人 僕、五条悟(4歳)

第5章 目覚めんなッ!母性!


この歳の悟がひとりで入れていたかは分からない。しっかりしてるとは思うけれど所々が子供らしい所がある。それはもしかしたら背伸びして大人ぶってる所なのかも。
そんな彼に記憶もすっ飛んでるだろうから、今日初めて会う異性の大人と風呂に入るのはキツイんじゃないかと思う。実際に私が悟の立場だったら嫌だと思うし。
夏油はゆっくりと頷いた。
すると下からチッ、という少し舌っ足らずな舌打ち。

「……傑と風呂とかやだ、とが良い、おねえさん、俺とお風呂入ろ?」
『やだじゃないよ、悟君。お風呂はちゃんと入りなよ、素っ裸で恥ずかしいだろうから私と一緒じゃなくて男の子は同じ男の子(?)と一緒に入るべきでしょ?』
「やー!」
「はははっ!…うん、良いよ。悟の世話は大変だろう?私が手伝おう」

やった!と荷物をぶら下げる腕でガッツポーズをする私と、首をぶんぶん振る悟。私達を見て夏油は笑う。夏油は帰る所だったであろう進行方向からくるりと方向を変え、私の隣をゆっくりと歩いた。向かうは高専内の寮。
歩きながらに夏油は悟をじっと見てる。見てる、というか生態観察というか…。

「なんで君にはこんなにも懐いてるんだろうね?悟は」

『わかんないですけど。結構悟君可愛いもんですよ?大人の悟がアレなだけにギャップが凄いです』

「……へえ」

最初は口が非常に悪かったのも慣れてきたらそんなに言わなくなってきたのを見ると私に心を開いてるのかもしれない。
私の部屋に戻り、夏油が「お邪魔します」と上がった。
親友である事を忘れているであろう悟。相当警戒してるのか私の服をぎゅっと掴んで隠れながら部屋に上がる。

『お風呂洗ってきますので、とりあえずこちらお茶を。悟君にはオレンジジュースで良いかな?』

ひとまずはすぐにはお湯が張れないから、食卓で飲み物でも出して待っていて貰おう、とふたりにお茶とジュースを出す。
夏油はぺこ、と頭を少し下げて冷たい緑茶の入ったグラスを、悟は黙ってオレンジジュース入りのグラスをそれぞれが手に取っていた。

「いやあ、すまないね」
『いえ、こちらこそ。悟君、同性でもない大人に体を洗われるのも嫌でしょうし、夏油さんが手伝って下さるのは非常にありがたいです』
「……俺はおねえさんとお風呂に入りたかったのに…」
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