• テキストサイズ

緑谷出久と裏の青春をするシリーズ

第7章 新年早々出久くんとイチャラブ姫始めしたいなと思う話


それだけで?全く、予想以上に期待を裏切らない。流石だねと言おうとしたが、突如として襲ってきた回転性の眩暈に視界が歪になる。吐き気は薄まったが、暫く経って濃くなったアルコール分で意識が遠退けていく。

やばい……、そう悟ったが時既に遅し。 

『眼が廻ってっ……倒れーー』
「密ちゃん??」

ガクッ

魂が抜けたみたく秘多の身体がゆっくり倒れ込む。崩れる身体を緑谷は反射的に抱き留め、あたふたと困惑した。淡い呼吸からして、どうやら気を失っているようだ。

もしあの通話がなかったら、本当にどうなっていたのやら…。ゾッとする想像に彼の口から長い溜息が零れた。





…ーー

見慣れない天井が目の前にあった。気怠く身を捩り、頭だけでも起こそうとするがこめかみが鈍く疼く。

「起きた?もう少し休んだ方が…」

まだ完全に抜け切っていないのか、意識に霧が掛かっているようだった。結局どうなったんだっけ?記憶を辿ろうも、道端で吐いたとこまでしか思い出せない。仕方なく声がする方向に首を動かすと、すぐ側に緑谷がいた。

『出久くん……』

背後にあるオールマイト尽くしの内装からしてここは彼の部屋かどこかだろうか?横にベッドがあると言うことは、わざわざ布団まで敷いて寝かせてくれたのだと察した。

「凄く具合悪そうだったから距離的に近い僕の家まで運んだんだ。勝手にごめんよ」
『ううん……ありがとう』

体温を確かめてるように、額に乗せられた無骨な手の感触に安心する。あのまま外にいたら年が越す前にとんでもないことになっていたかもしれない。緑谷がいてくれて本当に助かったと、改めてほっとした。

『そう言えば……』

今何時だろう…。気になって眼で時計を探していると、ガチャリと扉が開く音がした。

「出久、酔い止めの薬持ってきたよ」

部屋に入ってきたのはふくよかな女性だった。優しい雰囲気や髪色からして、緑谷の母親だとすぐ分かると、秘多は無理矢理に上半身を起こした。友人の親を前にして病弱に見られるのだけは避けたいと意地を張る自分に、緑谷が慌てふためき肩を持ってくれる。たかが二日酔い、病人扱いみたいで少々心苦しい気もするけど…。
/ 225ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp