第12章 疲れ勃ちした出久くんとヤリたい放題のバカンスに沼る話
目覚めた先でヒーローの笑った顔が見られるなら、ここで生涯を終えてしまうのもいいかもしれない。暮らすには少し物足りないとしても、小さな幸福を分け与えることはできる。
だけど、それじゃダメなんだと秘多は思った。あくまで自分は友人として支えるだけ。彼を救えるのはきっと自分じゃない。そして唯一それが出来るのは、おそらく——。
ひとしきり緑谷の顔を眺めた秘多は、何かから護るように彼の肩に顔を埋めて、寝る体勢に入った。微かに聴こえる彼の呼吸が、まるで子守唄のようにとても心地いい。
どうかこの安息が少しでも彼の力になりますように……。そう頭の中で言い残した後、意識は自ずと闇の中へ溶けていった。
TO BE CONTINUED ?