第5章 雨の良い雰囲気を激情した出久くんと秒でブチ壊す話
恋仲じゃないから、行為中に気持ちを確かめ合うなんてこと滅多にないのに…今日はこの上なく親密に繋がっているような気がした。
「うんっ…君は大切な人だから」
一緒にいたい、それくらいしか言えず、緑谷はすぐに口籠った。改めて慈愛に満ちたことを口にすると、恥ずかしくて仕方がないのだ。それでも目の前の彼女はにかんだ笑みを見せてくるから、全身が沸騰しそうになって、どうにかなりそうだった。
『んぁ…ああ♡ぁ…まっ、んぅ”…♡♡おく、こすってきてっ…ひあ』
長いこと硬いベンチで揺さぶられて背中を痛めてないか心配だった為、緑谷は秘多の身体を自分の上でうつ伏せになるよう誘導すると、すぐ律動に入った。薄暗いバス停の中でも鮮明にお互いの顔が見える。
自分のはしたない表情が目の前で晒されて恥ずかしいが、それは彼も同じで、積もった興奮により眉を寄せて表情を歪ませていた。感じているのはどっちも同じなんだなと、恍惚とつい中のイチモツにしがみついてしまう。
「はぁっ…っ♡キス、して…」
『…んむっ♡う、んっ……んん♡♡』
キスをせがんでくるなんてまた珍しい。秘多は望み通り口づけを送り付けると、少しだけ自分から腰を揺らせて動きに合わせて見せる。
ビクビクと緑谷の肩が微かに跳ねてて可愛いなと、思いながら彼女は舌を差し入れて交わりを深くした。上と下の粘膜同士が激しく合わさって、ありとあらゆる体液が鬼畜な音を立てて泡立つ。
「んむ…はぁ…♡君にとってのっ、大事なひとは…?」
『ぁ…あぁ”♡わた、しも…いずくが、ぁん♡いちば…んっ”、だいじっ…♡』
「それを聞けて僕も嬉しい、いっぱいキスしようか…♡」
再度荒々しく口付けながら、挿入を深くそしてより早く加速させて、膣に精子への欲求を高めさせる。イチモツから迸る熱い液の存在を思い出したのか、秘多の中がまた一段ときつくなったような気がした。
肌のぬくもりも、汗の匂いも、唾液の味も、心臓の音、全部……触れられた幸福感だけで、心が満ちそうになる。
もう、一層のこと「好き」って言ってしまえばいいのにっ。