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緑谷出久と裏の青春をするシリーズ

第1章 学校すっぽかして出久くんとちょいとエチエチする話


秘多の慰めにより、図星をつかれた緑谷の顔色は校舎裏にいた時よりも、若干良くなっていた。たとえ建前で言ったとしても、自分の目標を馬鹿にしなでいてくれたことが嬉しかったのだ。

『もう食べないの?』
「あ、ご、ごごめんっ!』

いつのまにか食べ終えていた秘多が不意打ちに尋ねると、緑谷は慌てて残りのおかずとご飯をいっぺんに頬張る。そのせいで喉を詰まらせてしまい、苦しそうに胸を叩いている緑谷に彼女はふくみ笑いながらもメロンソーダを差し出してあげるのだった。





…ーー

『へー…こんな感じなんだ。ドリンク飲み放題だって』
「ソ…ソウダネ。」

マンガがずらっと並ぶ棚を珍しそうに眺めている秘多の隣で緑谷は緊張気味にカタコトで返した。昼食を終えたら解散と思いきや、今度は自分でも来たことがないマンガ喫茶を訪れた、と言うよりまた勢いに任せて連れて来られたのだ。

『中は小さいけど二人用にはちょうどいいかな。出久くんも入ろう』

彼女の興味本位でなのか、個室まで借りることに。眼に引くコミックやオールマイト関連の雑誌等を何冊か手に取った後、緑谷は秘多に腕を引かれるまま個室に連れ込まれる。確かに二人でも十分なスペースがあるとは言え、女性との交流が少ない彼にとってこの二人っきりの空間は心臓に悪いらしい。

利用時間が終わるまで何とか気を紛らわそうと緑谷は雑誌に無理やり目をやった。横でパラパラと特定のペースで漫画のページを捲っているクラスメイトの音がする。全然現実味が無くて中々本の内容に滑り込めない。お得意のブツブツ考察モードに入れたのは少し時間が経ってからだった。何度も眼に通した雑誌だが、日が経って読み返して見ればまた違った角度の考察が出来ることに興味を掻き立てられる。

『本当に好きなんだね』
「へ?」
『なんか凄いブツブツ聴こえてたから…』
「ご、ごめんっ」

首を横に振りながら秘多が軽く笑う。ついヒーローオタク癖が出てしまったことに恥ずかしさを覚え身を縮めてしまう。

『男の子って大体同じこと考えてるのかなって思ってた』
「同じことって?」
『平たく言えば、スケベなこと……とか?』

瞬間、緑谷は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして硬直する。
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