第12章 疲れ勃ちした出久くんとヤリたい放題のバカンスに沼る話
『い……♡い゛るぅ……!♡♡いるよ、ずっと……!私、わたしだけはっ……君を……ずっと、出久くんのことを……っ、ぁ゛っっっ♡♡』
瞬間、緑谷の瞳がこれまでにないくらい翠色に冴える。現状にそぐわない、にへらと僅かに綻ぶ表情。ただの少年の顔。単純すぎる上に、無邪気だ。こんな体たらくで、よく生き延びられたものだと、言い知れぬ安堵の思いが胸内を包んだ。
そんな中、両脚を抑えていた彼の手が、今度は力の抜けた身体を力一杯に抱いてくる。加えて、ピンっと張った舌にもねちっこく口淫され、息苦しさで意識が飛びそうになるけれども、この時だけは幸せで満ち溢れているように思えた。
「絶対……絶対にだよ、密ちゃん……はぁ、はっ……♡あぁ、密ちゃんの中……ホント温かくてっ……腰が、勝手に……っ♡」
『あん゛、あ……♡あ゛……♡いずくっ……♡いずく……♡いず……、お゛……っ♡お゛、ほ……っ!♡射精して♡ちゅーしながら……い、ぱいっ……射精してぇ♡』
「密ちゃんそれ好きだね……射精しても、もう入らないのに♡でも……うん、次は一緒にイこうね♡」
その日は散々乱れた。ヒーローとしての心得も責任も理想も、彼を苛ませるもの全部消えてしまえばと。誰にも付け入る隙を与えないように。身も心もドロドロに蕩けていく、そんな享楽的な微睡みに二人は身を寄せ合った。
…——
結局、その次の日から中毒にでもなったかのように場所時間選ばず性を営んだ。単なる骨休めのつもりが、数時間は数日に、数日は数週間に変わり、やがて互いに対する情欲は時と共に色めき立つ。
長く滞在すれば個性の副作用で悪影響を及ぼすかもしれないのに、今の秘多は日数を数えることすらどうでも良くなっていた。ただ友人の側にいてあげたい一心で、ずっと彼と温もりを分け合うことしか頭に無かった。
「ん、はぁ……♡次はびっくりさせないでよね……あんなことしなくても、一日中いっぱい苛めてあげるから♡こんな風にっ……♡」
『あ゛ぁん♡あ゛ ♡あ゛ ♡あ、ごえん、なしゃ゛っ♡あ゛、ぅっ゛……!♡らっでぇ、いじゅくに、げんきになって、ほし、からぁ゛ぁ゛……♡』
「そんなこと、言って……っ♡あ、ぐ……もう我慢できないや……そろそろ4回目、射精すよ♡」