第9章 オリジン組メンバーの眼を盗んで出久くんと濡れた色事に耽る話
ヒーローの温もりも、想いも、全て欲しいと乞うている声は憎たらしくも誘惑的で、その声音に緑谷の中の何かまでもが砕け散っていく。
「あぁ……もっ」
英雄としての尊厳すらも冒す命乞い。卑怯だと罵られてもいい。どの道ダメにされるなら、いっそのこと道連れにしてしまおうと再びその名を口にしたら雄の色を宿した眼差しが自分を睨んだ。
ズプンンンンンンッッッ♡♡♡
『ほぁ“っ♡ぁ”あっ♡♡ ん“ん…!♡♡』
「立てなくなっても知らないからっ…」
同じく初夜を再現するかのような性急さで、緑谷の張り返った熱が膣内に押し込まれる。自身の体重で中のモノを奥まで咥え込んだ刺激は強くて、バランス感覚を失った身体が落ちてしまいそうになるのを逞しい腕によって支えられた。曝け出された結合部も、ねっとりとグラインドする律動も、目の前の鏡には全てが丸見えになってしまうにも関わらず、秘多は柔らかく溶けた中に彼のでいっぱいになる感覚に恍惚としていた。
『ふぁ“、あん♡あぁ、すて、き…♡デクと、えっち…してるっ♡はぁ…』
「…っ!それ以上呼ばないでっ」
下からの突き上げが激しくなるに連れて帯も徐々に解かれ、なす術なく衣服と一緒にしとど濡れる。替えの物がない、明日なんて言い訳をしようと考える余地はなく、額を重ね合わせ熱した視線を互いに絡ませていた。
そっちもイキそうなのを我慢しているのか、抱きしめる彼の腕に力が込められる。積もった快感を早く発散させたいと、喉を唸らせるところも、扇情的な表情もたまらなく素敵で、叶うならばその姿をずっと見ていたかった。
「はぁ…♡本当は酷くされたくて、わざと僕を困らせてる?」
『あぁ、あ”…♡わ、わたひ…っんな、へんたいじゃ…ひう“ぅっ!♡い”っ…ぁ♡くり、ぬるぬるしちゃっ…ぁ“あ♡』
「違わないよ…んっ♡好き勝手弄ばれて、尻尾振っちゃう変態だもんね…密ちゃんは♡」
完全に包皮が剥けてピンっと主張した陰核を指で丸く転がしながらのピストンに、全身が快楽の大波に呑まれる。表層では否定的に振る舞っているつもりが、どうやら緑谷はそれを見抜いているのだろう。見詰める瞳孔が心に訴え掛ける。自分がそんな、他人が思ってるような良く出来た人間ではないと言うことを。