第9章 オリジン組メンバーの眼を盗んで出久くんと濡れた色事に耽る話
ぐっしょぐしょになるまで掻きまわした指が抜かれた次の瞬間には、血管が浮き出た凶悪な怒張が股の間から飛び出て、秘多を一瞬ギョッとさせる。
毎回思うが、顔と性器の割合が全くと言っていいほど合っていない。欲する雌を焦らすかのように、臍下部まで上反らせて、如何にそれが最強で壊滅的なものかを示している。鼻息を荒げてソレを見詰めていた自分は、怖気付いたと言うよりこの先に待つ営みへの期待を孕んでいた。
『ふぁ、あ“っ♡ひぃっ…い、いずく、もう…勃って…んん“♡』
「…当たり前じゃないか。あの誘い方はズルいよ」
初めてシた時のこと思い出しちゃった?そう意地悪く耳元で囁いたと同時に、耳殻を隈なく舐められながら蜜壺に熱を擦り付けられたら一気に理性も自尊心ごと削ぎ落とされる。そっちも同じ追想にふけていたんだと嬉々として瞳を潤ませた秘多が相手に媚びるように腰で小さく円を描いた。
くちゅり♡くちゅり♡ちゅぷちゅぷちゅぷ…♡
『あっ……あぁ…♡さみし…おまんこ、さみしい…♡う“ぅ…』
羞恥心よりも体内の疼きが只々苦しい。淫靡な音色に頭が痺れ、時折入れられる緑谷の舌の感触にゾクゾクと背筋に電流のようなものが走る。焦ったい感覚が好きだと一時は思ったが、今となっては我慢もへったくれもなく、半ば自暴自棄になりながらもヒーローの男根に救済を求めた。
「ふふ…こぉら、焦らない♡」
しかし、あまりにしつこく強請ったせいか、触れるか触れないかくらいのところで熱が離されて、秘多は苦しそうに息を荒げながら捨てられた子犬の鳴き真似をする。
『う“ぅ…♡うぅ“っん……』
痛々しい、信じられないと自分でも思った。定期的に仕込まれてせいで精神はすっかり脆くなり、こんなにも早く白旗を上げてしまうとは。たまらなくなって、濡れそぼった耳元でくすりっと笑う声の主を見遣り、眼が合った瞬間悟った。
『ふぅ“っ…♡ふ……すけてっ』
このままいけば、本当にダメになると言うことを。有耶無耶な意識の内に開いていた口は、耳を疑うような言葉を発していた。
『う“……♡たすけて…♡わたしを、たすけてくださいっ……“デク”♡』
日常会話でさえ滅多に呼ばないもう一つの呼び名を、引き千切れそうになる理性を必死に繋ぎ止める秘多がぼやいた。