第8章 誕生日にアメコミ小ネタかました出久くんとサンデー作りする話
嘘、こんなにっ……。少し困惑した様子の秘多がゆっくり身を離し、ありとあらゆる液体が絡み付いた半身を指で触れながらはぁっと深く吐息を漏らす。その量と勢いは自分でも一瞬魂消てしまう程のもので、触れなくても男根が全てを出し切らんと僅かにヒクついていた。
『はぁ……凄い量だね。最近抜いてなかった?こんなにも白くーー』
「一々言わないで…!本来なら君を気持ち良くするべきなのに。これじゃ僕がプレゼント貰ってる側みたいじゃないかっ…」
『いいの、君を気持ち良くするの同じくらい好きだし、愉しい…』
「た、愉しいって…」
『出久くんもそんな感じでしょ?』
否定はしないが、納得がいかないと言った表情で緑谷が口籠る。そして更に秘多が詰め寄り耳元で二言、おっぱい気持ち良かったね…、と意地悪く息を吹き掛けたら、案の定、全身が茹で蛸にでもなった様に彼は熱という熱を体内に集わせた。現に汚された裸体を眼にしただけでわたわたと動く様子はいつ見てもいじらしい。
『でも、今度は気持ち良くして貰いたいな……なんて』
「っ……」
媚薬のように囁きながら硬直した少年の首に腕を回す。ここに来てから小一時間。今日は好き勝手させて貰えて大変ありがたいのだけれど、知らぬ間にじわじわと自分自身を焦れさせてしまっていたようだ。身体のべた付きを早く洗い流したいと言う意思さえ遠退いてしまうくらいに下半身の奥が熱く疼き、湿り気を帯びている。
そんなもどかしさからの解放を欲するあまり秘多が耳たぶを食んで媚びて見せると、緑谷の強張った肩が僅かに跳ねた。誘いを受けてしまったら最後。それを承知している彼もどうやら射精の余韻が抜けていないらしく、何やら思い悩むみたいに小さな唸り声を上げている。
『出久くん?』
中々返事が返ってこないので、今晩はなんでも聞いてくれる?とまた権力を悪用しようと企むも、彼のバツ悪そうな視線が自分のものと絡まる。その瞬間、瞳の奥に隠された小火が、心の琴線に触れたようだった。
「……手、解いてくれるかな?」
お互いを求め合う情欲がこんな触れ合いだけで満たされるはずもない…。一つに溶け合うこと。それだけは分かっていても、どうなるかまでは予想出来ない。それでも、差し出された赤い結び目に自然と手が伸びていった。