第6章 集会と謎
「すびばせんでした。」
「もう知らない!」
「怖ーあんなコ居るのによくうちの話乗ったね。でも勘違いしないでね。別にアンタのことなんとも思ってないから。」
「へ?」
「うちはただ早く大人に成りたかっただけ。」
エマはどこか寂しそうにそう言うと、遠くで楽しそうに話すドラケンとマイキーを見つめた。
「ウチ事なんて興味なし!マイキーとバイクと喧嘩の事ばっかり。少しは怒るかなって思ったのに....」
「(そっか。エマちゃんはドラケン君にヤキモチ焼いて欲しかったのか....それにしても女心ってわっかんねぇ。)」
『......はぁ、エマ。おいで。』
「!リツ兄....」
『ん、どうしたの?来ないの?』
「〜っ!リツ兄〜!」
話を聞いたリツカは大きくため息を着くと、どこか呆れたようなでも愛おしそうな表情を浮かべ手を広げる。
エマはそれを見て、一瞬泣きそうな顔をするとリツカにギュッと抱きついた。
『エマ。今回タケミチがいくじなしだったから良かったものの』
「え、何?急にディスって来るじゃん。」
『これが本当に危ない人だったり、マイキーに恨みがあるやつだったら、無理やりヤラれて、痛い思いしたり、悲しい思いするのはエマなんだよ?』
「わかってるもん」
『わかってない。エマが早く大人に成りたいのはわかるけど、焦っちゃダメ。エマはまだ13歳でしょ?ゆっくり大人になっていけばいいんだよ。どーせいずれは皆大人になるんだから、ね?』
「うん。」
『だから、こんな危険なことしちゃダメ。もうしないって約束できる?』
「出来る。」
『よし!なら、集会の間ヒナのことお願いね。しっかり守ってあげて、オレの大切な友達だからさ。』
「うん。あ、あのさリツ兄....約束守るから....今度お姉ちゃんと遊びに行きたい。」
『"お姉ちゃん"....?あ、ああ!"お姉ちゃん"ね....わかった。いいよ。』
「本当!?」
『うん。本当。』
まるで小さな子を諭すようにリツカは優しい声でそういうと、エマの頭をポンポンと撫で、ドラケンたちの元へと向かった。