第19章 羽折れの天使
「ちゃんと見合うモノを差し出せよ!」
『!?』
─────ゴッ!!
「じゃなきゃ、コイツらはここでくたばる。」
大寿はそう笑いながらリツカに対し、拳を振り下ろした。
しかしそれをかろうじて受け止めたリツカは八戒に必死に叫んだ。
『ッ!八戒!やめろ!耳を貸すな!ッ!ゲホゲホゲホッ!!』
「テメェは黙ってろ!」
「東卍をやめるよ。」
『!?』
その言葉が発せられた瞬間大寿の拳が止まった。
「兄貴を支える為に黒龍に入る。」
『八戒!!やめろ!私なら大丈夫だから!』
「ごめん。リッカ。これしか俺が思いつく方法がねぇんだ。もうこれ以上俺のダチに傷ついて欲しくない。」
『八戒.....』
「だからタケミっちとリッカを離せ!交換条件だ!!」
殴る手を止めた大寿はニヤリと不敵な笑みを浮かべるとリツカを解放した。
「八戒に感謝しろよ。クソ女。」
ゴッ!!最後の一発を食らった瞬間
リツカの意識はそこで途絶えてしまったのだった。
『ダメ......八戒......行か、ない、で......』