第6章 集会と謎
「おお。リアの特攻服久しぶりじゃん。」
『あれ?そうだっけ?』
「確かにな。お前この間の抗争で特攻服破って三ツ谷に怒られてたもんな。」
『うわぁ....(想像したくない)』
「ケンチーン、そろそろ行こっか。」
「だな。集会もうすぐ始まるし。リッカ。お前のバリオスだけどありゃ部品がイカれてっから直すのにもうちょいかかる。今日は俺の───
いや、マイキーの後ろ乗ってけ。」
ドラケンはマイキーを見て言葉を濁すと直ぐに訂正する。
『?りょーかい。』
「はい。ヘルメット。振り落とされねーようしっかり掴まってろよ。」
『うん!』
投げてよこされたヘルメットをキャッチすると首につけ、頷いたリツカがマイキーのお腹に腕を巻き付ける。
「さて、そろそろ行くぞ!」
機嫌がいいマイキーの声皮切りに2人はバイクにエンジンをつけると、走り出す。
『気持ちいい〜!』
「だろ!」
『うん!!』
リツカはにっこりと笑うと、マイキーの背中に頭をくっつける。
「!」
ドクンドクンと少し早い心臓の音が聞こえてきて、リツカはああ、マイキーも生きてるんだなと実感する。
『(あったかい。この時間がずっと続いたらなぁ。)』
「なぁ、リア。」
『ん?』
「ペアリングのことなんだけどさ。何があっても絶っ対ぇ外すなよ。」
『え、急にどうしたの?まぁ、外さないけど....(女々しいとは思ってるけど、12年経った後も肌身離さず持ってるし.....)』
「それ、目印だから。リツカが俺のモンだって。これがある限り誰にもお前を傷つけさせない。俺がお前を守ってやる。ずっとずっとだ。この花に誓う。」
マイキーはそう言うと一瞬だけリツカの指に光る指輪の装飾の花、カランコエの花に視線を向けた。
『それってさ、男に言っていいセリフなの?』
「お前だからいーんだよ。だからそれがある限り、俺から離れんな。」
そう言ったマイキーの顔を盗み見ると、いつものふんわりとした笑顔とは違い、真剣な顔をしていた。
『.....うん。わかった。』
「ん。」
リツカはどこか辛そうな表情を浮かべるとマイキーを抱きしめる腕に少し力を入れる。
マイキーはその行為に一瞬目を見開くと満足そうに微笑む。
その首にはリツカと同じペアリングが輝いていた。