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さよならマイヒーロー【東リべ】

第5章 ただいま現代


「なんだもー早く言って下さいよ花垣さん!社長のご親友ならすぐにでもお通ししたのに〜


VIP3名様ご案内〜!」


「絶対バカにしてるよな。」


「そんな事ナイデスヨ」


『キヨマサより手のひら返しすごいね笑』


VIPルームに案内され、3人は出された飲み物を前にアッ君が現れるのを待つ。


「手、震えてますよ。タケミチ君。」


「ビビってねーし。」


『声も震えてるよ。』


「だからビビってねーて!どんなに身分が違ったって、どんなに偉くなってたってアッ君はアッ君さ!」


そう言いながらも、震えるタケミチにナオトは呆れたように笑う。


「タケミチ。アオバ。」


後ろから急に聞こえた声に2人は驚いたように立ちがる。


「後ろだよ。」


懐かしい声が聞こえ、2人が振り返るとそこには少しばかりやつれたかつての友人が座っていた。


「変わんねーな。タケミチ。それに比べアオバは少し大人っぽくなったか?」


『「アッ君?」』


「リーゼントじゃねーから気づかなかったか?」


『アッ君!ほんとにアッ君だ!』


「義姉......義兄さん!?」


駆け出したリツカがアッ君に抱きつく。


『本当に久しぶり!!』


「あ〜前言撤回。やっぱりお前も変わんねーな。アオバ。
もっと早く声を掛けようと思ったんだけどさ。懐かしくて、つい。」


そう言ってアッ君は柔らかく笑う。


「(アッ君だ!見た目は全然違うけどアッ君だ!)」


「マイキーさんに会いてぇーんだろ?俺もずっとお前らのこと待ってたんだ。」


「どういうこと....」


タケミチがそう問いかけると、アッ君は何も答えずに立ち上がる。


「外で話そう。3人だけで。いいか?」


アッ君の視線を向けられたナオトは黙って頷く。


「ボクはここで待ってます。」


「うん」


『了解』


「タケミチ君、義姉さん。気をつけて。」


「大丈夫だよ。心配すんなって。」


『私たち友達だから。』


ナオトにそう言い残し、2人はアッ君に案内されるまま店の屋上へと向かった。
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