第5章 ただいま現代
役割分担をし、リツカは部屋の掃除、タケミチとナオトはアッ君の連絡先が書かれたメモを探すこと数十分.....
「あ、あった!これだー!」
『フゥこっちもあらかた掃除終わったよ〜。』
「お疲れ様です。ものの数十分でよくここまで片付けられましたね。」
リツカにより片付けられた部屋はさっきの面影はなく、床に散らばっていた物は綺麗に整頓されて、シンクの調理器具やお皿でさえも綺麗にされていた。
『慣れだよ慣れ。んで?見つかったの?』
「うわぁ懐かしい〜。昔の記憶が蘇ってくるよねぇ〜あ、コイツ誰だっけ?」
12年前のメモを見つけ、テンションが上がるタケミチを他所にナオトはギロリと睨みを効かせる。
「早くしてもらっていいッスか?」
『ヒィ....(めっちゃ怒ってる....)』
「あ、あぁ.....アッ君ね。わかってるよ。番号変わってないといいんだけど.....」
ポケットからスマホを取り出したタケミチは、ブツブツと呟きながら電話をかける。
プルルル....
「あ、繋がった!」
『!あとはそれにアッ君が出るかだね。』
「うん。」
ボロアパートの一室に緊張が入る。
誰もが目の前にある1つの頼みの綱に縋る。
どうか、この電話に出るのがアッ君出会ってくれと.....
数回のコールがなり、プツと音を立てて通話が繋がった電話に誰もが息を飲んだ。