第5章 ただいま現代
「過去に何があったか分かりませんが、変わりましたね。タケミチ君、義姉さん。」
「え?そーかな?どの辺が?」
「弱々しさが無くなりました。ちょっとですけどね。
義姉さんはどこか前向きになりました。」
『前向き....か。』
「それってさ、かっこよくなったってこと?」
「さて、"マイキー"に会える方法を探しますか!」
『一応、連絡先と実家の住所とかなら12年前のがあるよ。多分東京卍會幹部全員分。』
「本当ですか!?義姉さん。」
『12年前だし、期待薄だけどね.....』
「それでもいいです!すぐにに調べましょう!」
「ねぇねぇ2人とも俺ってイケてるってこと?」
『「うるさい!すぐ調子に乗る!!」』
それからは目まぐるしい日々が流れて行った。
調べられるものか片っ端から調べあげ、掴んた情報全てをリスト化する。
「改めて見ると....マジでヤベーな東京卍會。」
「マイキーは恐ろしいほど慎重です。警察でもシッポを掴ませない。」
『12年前のだから、当たり前だけどマイキーのも、幹部全員のも全部解約されている挙句、実家は全て売却済み、今借りている家も全て偽名、携帯は飛ばしのもの.....』
「手掛かりを1つ掴むのも一苦労です。ん?誰だコレ。」
「ん?」
『誰か見つけた?』
2人はすぐさまナオトの座るデスクへと歩み寄ると、パソコンへ視線を向ける。
「東卍幹部"千堂敦"ってアッ君じゃん!」
『えっ!?アッ君!?何で東卍に....』
「アッ君?2人の友達の?」
「『うん。』」
2人が頷くのを確認するとナオトは再びパソコンに視線を向け、悩むように爪を噛んだ。
「おかしいです。彼なら16の時に東卍の清水将貴という男を刺して捕まり出所後は末端のチンピラだったはずです。」
「確かに言ってた。」
『もしかして───』
『「「過去を変えたから!?」」』
「キヨマサ君を襲わずにすんだアッ君は警察に捕まらなかった!」
「タケミチ君がマイキーと仲良くなり、そして千堂も....」
『....幹部になった。』
「そうだ!千堂とは連絡は取れますか?」
「あ、うん。番号が変わってなければだけど。家に確かメモがあったはず.....」
『もし本当にアッ君が東卍の幹部なら.....』
「マイキーに繋がれるかもしれません!早速行きましょう!」