第5章 ただいま現代
それからナオトは部屋の端からホワイトボードを取り出すと2人が見えやすい位置へと置き、タイムリープの説明を始めた。
「2度目のタイムリープでわかったことがあります。」
『わかったこと?』
「君たちのタイムリープの能力は12年前の同じ日に戻ると言うものです。
例えば今日、過去に戻ったとしたら12年前の今日につき、12年前の1週間後から現代(こっち)に帰ってくれば、現在も1週間経っている。」
『じゃあナオトが最初に考えてた仮説通りってことだね。』
「はい。」
『あ、でも1つナオトの仮説にないものがあったんだけど...』
おずおずと手を挙げたリツカにナオトはどうぞと言わんばかりに視線を向ける。
「なんですか?」
『私が戻ってくる条件....多分誰かと指切りするだけでいいみたい。』
「!それは本当ですか!?」
『うん。現にさっき戻ってきたのだってナオトと指切りしたわけじゃないし。戻るだけならそこまで難易度高くないみたい。要は縁を結べれればいいんじゃないかな?』
「わかりました。それを踏まえてもう一度仮説を立ててみますね。」
『うん。お願い。』
「では、話を戻しますが過去に戻っている間、2人はずっと"仮死状態"でした。」
「え!?死んでたって事!?」
『うわぁ....仮死状態ってロミオとジュリエットみたい。』
「ロミ....なんて?」
『ロミオとジュリエットね。』
「リッちゃんの知り合い??」( ˙꒳˙ )?
『oh......マジか.....』
「とにかく過去に行っている1週間、君たちの意識は過去に行っている。つまり"空の器"だけが現代に残っているということです。」
「それで仮死状態って事か。」
「ええ。危険なので今後もタイムリープする時は僕の部屋でしましょう。」
『そうだね。』
2人はコクと頷く。