第5章 ただいま現代
卍 卍 卍
2017年 東京
『ん...うぅん。』
喉が焼けるように痛い.....
頭がズキズキとして、身体の骨という骨と筋肉が軋む音がする。
「!義姉さん。義姉さん?聞こえますか?」
耳元で声がしてゆっくりと目を開けると、見慣れない天井と点滴が目に入る。
『痛い....』
硬直していた身体に鞭を打ち起きた上がると、水の入ったペットボトルをこちらに差し出すナオトの姿があった。
『ナオ....ト?』
「はい。おはようございます。義姉さん。」
『あ、戻ってきたんだ....』
ペットボトルを受け取りながら、そう呟くとナオトは驚いた表情をこちらに向けていた。
「っと言うことは────」
「ああああぁぁぁ!!!」
『「!?」』
突然鳴り響く悲鳴に2人はギョッとして視線を向ける。
声の主はどうやらタケミチのようで、目覚めてそうそうに涙を流していた。
『タケミチ!?どうしたの!?』
「タケミチ君!」
「帰って来ちまった.....」
「って事は2人とも過去に行けたんですね!やっぱり握手がトリガーだったんだ!!」
残念そうに嘆くタケミチを他所にナオトは自分の手を見て嬉しそうに声を弾ませる。
「お前〜何であそこにいたんだよぉ!」
「え?なんの事ですか?」
『(なんか....すっごく残念そうだな....)』
「兎に角僕の仮説は間違っていなかった!」
「ハイハイ...そうですね。」
「そして君は戻ってきた。わかりましたよ。これで全部。そっちは?戻ってきたという事は何が進展があったんですよね?」
期待の眼差しをタケミチに向けるナオトに2人は気まずそうに視線を逸らすと、タケミチがえーとと言葉を濁しながら説明を始めた。
「間違えて戻ってきたぁ?」
その言葉を聞いた瞬間
ナオトの顔が怒りの表情へと変わる。
「しっかりしてください!!💢」
『「ご、ごめんなさい〜!!」』