第5章 ただいま現代
「何が辛いのか俺にはわかんねえけど。お前にはずっとそうやって笑ってて欲しい。」
『マイキー』
「リア。約束。来年もその先もずっと花火見に来ような?」
『っ』
リツカは儚い瞳を向け、小指を差し出すマイキーを見て、頷くことが出来なかった。
それは約束できる自信がなかったからだ。
今この瞬間がずっと続いていてくれたら。
未来になんて戻りたくない。ずっとここに居たいとは思う。
だって12年後、私はマイキーの隣にはいない。
稀崎鉄太に脅されたあの日。
止めるマイキーの、仲間たちの叫びを嘆きを無視して私は全てを裏切った。
でも、もし少しだけこの瞬間だけでいい。
願っていいのなら。
私は彼に、私を救おうとしてくれた彼に報いたいそう思った。
『マイキー....オレさ─────』
マイキーの指に自分の指を絡め、何かを言おうと唇を切った瞬間
パキンッ!!と脳内で何かが割れる音が鳴り響いた。
「リア?」
『あ.....(何で?私まだナオトと指切りしてないのに....どうして.....)』
疑問に包まれる中、リツカの意識が段々と暗転していく。
意識が途切れる瞬間
最後に瞳に映ったのは吸い込まれるほど美しいアーモンドアイだった....