• テキストサイズ

さよならマイヒーロー【東リべ】

第5章 ただいま現代



「何が辛いのか俺にはわかんねえけど。お前にはずっとそうやって笑ってて欲しい。」


『マイキー』


「リア。約束。来年もその先もずっと花火見に来ような?」


『っ』


リツカは儚い瞳を向け、小指を差し出すマイキーを見て、頷くことが出来なかった。
それは約束できる自信がなかったからだ。



今この瞬間がずっと続いていてくれたら。
未来になんて戻りたくない。ずっとここに居たいとは思う。


だって12年後、私はマイキーの隣にはいない。


稀崎鉄太に脅されたあの日。
止めるマイキーの、仲間たちの叫びを嘆きを無視して私は全てを裏切った。


でも、もし少しだけこの瞬間だけでいい。
願っていいのなら。
私は彼に、私を救おうとしてくれた彼に報いたいそう思った。


『マイキー....オレさ─────』


マイキーの指に自分の指を絡め、何かを言おうと唇を切った瞬間
パキンッ!!と脳内で何かが割れる音が鳴り響いた。


「リア?」


『あ.....(何で?私まだナオトと指切りしてないのに....どうして.....)』



疑問に包まれる中、リツカの意識が段々と暗転していく。
意識が途切れる瞬間
最後に瞳に映ったのは吸い込まれるほど美しいアーモンドアイだった....
/ 636ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp