第19章 羽折れの天使
「お兄ちゃん......」
『大丈夫。』
「何だその目は反抗的だな。何か文句でもあるのか?」
『オレのダチをこんなにしておいて。むしろ無いとでも思ったの?』
「.....ハッカーイ。コイツらを殴り殺せ。同じ東卍としてのケジメだ!」
「兄貴.....リッカたちはこの辺が黒龍のシマだって事知らなかったんだ.....だから.....」
あの八戒が今は別人のようにビビってる。
確かにこの男は強い。多分だけど今の私......いや、後遺症がない私でも勝てるか分からない。
恐らく甘く見積って五分。普通に言えば多分後遺症を抱えたままの私じゃ負ける......!
「んなこたぁ聞いてねぇぞ。俺の命令が聞こえねぇのか?テメェは東卍である前に俺の弟だ。つまり兄である俺の命令は絶対だ。」
『(何その考え.....完全に狂ってる。)』
「家族(ファミリー)の絆は仲間のそれより上だろ?」
「大寿!八戒をあんま追い詰めんなよ!」
柚葉が抗議の声をあげた瞬間
─────ゴッ!!
鈍い音を立てて柚葉の頬を大寿が殴る。
それを見た杏花はおそらく継母と重ねたのだろう既に涙を流し怯えていた。
「柚葉ぁ。テメェの躾の問題だぞ。これは。あとでたぁっぷり教えてやる。」
大寿はそういうと、睨みつけるリツカの前に立ち塞がった。
『オイ。ユズ姉は仮にもオマエの家族で女だぞ!』
「テメェは女を殴んのかよ!!?」
「柴家の問題に口出すんじゃねぇゾ。クソガキども。」
「リッちゃん。まずは俺が行く。俺に何かあったらヒナたちを守ってくれ」
『!......うん』
「八戒。みとけよ。兄ちゃんが代わりに尻拭いしてやる。これが絆だ!!」
ゴッ!!
鈍い音を立てて大寿がタケミチを殴りつけた。
そして大寿とタケミチの戦闘が始まった。
酷いものだった......
まさにブルドーザーと自転車
簡単にタケミチは蹂躙されると意識のないタケミチを大寿は殴り続けた。