第19章 羽折れの天使
「八戒はホントダメな。リツカなら大丈夫なのに。」
「だってリッカはリッカじゃん。」
「何それ。」
「上に立つとか考えるだけでメンドくせぇじゃん。俺自由なのが好きなんだよ!」
「へー......なんかコイツ......」
「かっこいいね!柴君」
「.......」
「!?」
『ぷッ!あはは!やっぱりダメなんだ!』
「えっとあの......」
「お兄ちゃん?」
困惑する2人に柚葉は少し困ったように説明する。
恐らく誤解を産んでしまっているからだ。
「あーヒナちゃん杏花ちゃん。気ぃ悪くしないで。弟は異常な奥手でな......」
「「......え?」」
「アタシとリッカ以外の女子に話しかけられると強制停止(フリーズ)しちまうんだ。」
「え?お兄ちゃんは男だよ?」
【(あ、しまった!!)】
その瞬間全員の思考が重なる。
やばいこれは非常にまずいと焦った柚葉が必死に弁明を始め、ヒナたちもそれに続く。
「お、女みたいな顔って事だよ! 」
「そうそう!リッカ君女の子みたいだから!」
「そうなんだ。」
「まぁ気にしないで。」
「(ポンコツ。コイツがあの柴 八戒?金の為に先代総長を殺した黒龍の総長.....?)」
ふあああ......と呑気に欠伸をする八戒をタケミチは見つめるとうーんと首を捻る。