第4章 喧嘩賭博!?
タケミチがナオトから聞いた12年後の"東京卍會"は賭博・詐欺・強姦・殺人なんでもありの極悪集団だ。
しかし、先日リツカが言っていたようにこの時代の彼らは見た目はどうあれいい人ばかりだ。
「(本当にこの人があの"極悪東卍"のアタマなのか?)」
タケミチの中で疑問が生まれ始めていた。
「あの、なんで俺の事なんか気に入ったんスか?」
「.....くっだらねー質問。」
「スイマセン」
「....オレ、10コ上の兄貴がいてさ。死んじまったんだけどネ」
「!」
『.....ぁ』
その言葉を聞いた瞬間
リツカの瞳が大きく開かれると、すぐさま暗い顔をして俯いた。
キュッ。とドラケンの服の裾を掴む手は微かに震えており、それを察したドラケンはチラリと視線を送ると少しスピードを落とし、マイキーたちから離れる。
『ごめん....ドラケン....』
「気にすんな。お前にとってアレは1番つれーことだってわかってるから。」
ボソボソと話す2人を他所にマイキーは懐かしそうに語り出す。
「無鉄砲な人でさ、自分より全っ然強ェ奴にも平気で喧嘩挑んじゃうの。」
「へーかっけぇ人だったんスね。」
「タケミっち兄貴に似てる。」
「へぇ!?そんなかっこよくねぇスよ!どこをどう見たら。」
「ハハハ!確かにタケミっちみたくダサくねーな」
「.....それはちょっとヒドイッス。」
少し落胆するタケミチにマイキーは声を上げて笑う。
「でも、似てるのは本当。ここだけの話。リアもなんだ。」
「え、リッカ君がスか?(女なのに?)」
「うん。考え方とか、優しくて、でもどこか芯は強くて.....ちゃんと俺の事見てくれてる。アイツはそういうところが兄貴に似てる。」
マイキーはそう言うと、ドラケンの後ろで景色を眺めているリツカの横顔を一瞥した。
その視線に気づいたリツカは、チラリとマイキーを見るとにっこりと微笑んだ。