第4章 喧嘩賭博!?
「今って不良がダセーって言われる時代だろ?」
暫く走り、土手に着いくとマイキー遠くを見つめながら語り始める。
「兄貴の時代はさ、この辺りにすっげー数の暴走族がいてさ、その辺チョッカンコール鳴らして走ってた。」
『(そういえば、シン兄がいつも楽しそうに言ってたな....)』
「みんな肩肘張ってさ、喧嘩ばっかして、でも自分のケツは自分で拭いて。そんなヤツらが何でダセーんだ?だから───」
───「俺が不良の時代を創ってやる」
マイキーがそう言った瞬間
ふわぁと風が巻き上がった。
「だから、お前も着いてこい。俺はお前が気に入った花垣武道。」
「喧嘩強ぇ奴なんていくらでもいんだよ。でもな"譲れねぇモン"の為なら、どんな奴にでも盾突ける。オマエらみたいなのはそーいねぇ。考えとけよ。タケミっち。」
2人はそう言うと自転車に乗り去っていってしまった。
「なぁ、リッちゃん。リッちゃんが言っていた通りマイキーは不良だけど"悪い奴"じゃない。」
『うん。』
「少なくとも祭りにトラックで突っ込んで関係ないヒナたちを殺しちまうような12年後の東京卍會のボスでは絶対にない。」
『この時代の東卍はそんな事しない。』
「じゃあ、一体何がマイキーを変えたんだろう。」
2人で土手を歩いていると、前から2人ほどの舎弟を連れた男とすれ違う。
『.....マイキーが変わったのは...."稀崎鉄太"と出会ってからだ....あの二人が出会わなけれな東京卍會もマイキーも堕ちることなんてなかったっ。』
リツカは俯きながらそう呟くと、タケミチはピタリと止まった。
「あれ!?」
『え、どうした?』
タケミチは訝しげに後ろを振り向く。
「ん?はて。どっかで見たことあるよーな....」
『え?溝中の不良ではないよね?』
「まさか!あんなゴツイのはいないよ。」
『んー賭博とか?』
「いや、喧嘩賭博よりも前に見たような....」
2人はうーんと考えるが結局その日は答えが出ることはなく。
単なる気の所為で済ませることにした。
しかし、後に2人は後悔することになる。
今すれ違った男が稀咲鉄太なのだから.....