第19章 羽折れの天使
『情報はどう?入手できそうだった?出来そうにないなら私が動くけど......』
「貴女が動くほどでもなかったですよ。大方あの双璧が掴めなかったから入手困難だと思いました?」
『ちょっとはね。』
「そんなことねーよ!俺らはアイツらよりユウシュウだからな!」
「黒龍についてですよね?バッチリ掴めましたよ。」
『流石。"グシオン"と"アガレス"だね。』
「あの面倒くさがりな"アロケル"も協力してくれましたからね!おかげで楽に突き止めることが出来ました。」
『あの"アロケル"が?一体どんな手を使ったのよ。』
「それは秘密です。(まさか貴女の写真(隠し撮り)を引き換えになんて言えませんからね。)」
「色々探っては見みたけど結構わかったことがあったぜ。まず××××と東卍が9代目を潰したことは覚えてるよな?」
『流石に覚えてるよ。東卍の初陣だからね。』
「そう。黒龍は本当は9代目で終わるはずでした。そこで終われば良かったんですけどね。あんなクズの集まった腐ったチーム......」
『でもそれを終わらせたくなかった奴がいたんだね?』
リツカがそう問いかけると2人はにっこりと笑いながら頷いた。
「はい。その男の名は"乾 青宗"8代目の手先だった奴です。」
『乾 青宗......!もしかして"イヌピー"?』
「そうですが。お知り合いですか?」
『腐れ縁よ。(シン兄の時のね.....)』
「ソイツが黒龍を終わらせたくなくて今の総長である。柴大寿に黒龍の総長にならないかと持ちかけたんだそうです。」
「結果はご覧の通り。」
『8代目、9代目と同様。凶悪いやそれを超えるほどの絶対悪。殺人部隊を売り文句にする武闘派10代目黒龍ができあがりってことか。隊員を軍隊のように育て上げ、金持ちと繋がって暴力を売る組織になったってわけね。 』
「その通り。流石だな。××××。それでこそ俺らの主だ。」
『これくらい誰だってわかるよ。後半はあの子たちが集めてくれた情報だし。』
「ふーん。アイツらもだいぶ立派になったもんだな。でもまだまだ俺らの域には届かねーけど。」
ふふん!と"アガレス"は鼻が高そうにする。