第19章 羽折れの天使
『マイキー.....私さ。人間だよね?』
「は?」
『私さあの人に言われたんだ。オマエは"道具"だって。認めたくなかった。でも私、言われてみればずっとあの人の操り人形なんだなって思ったら虚しくて.....否定できなくて.....もうどうしたらいいか分からなくて.....』
「リア」
『私留学の話が出てるの。もうここには居られないかもしれない。』
「!」
『でも嫌だよ。マイキーたちと一緒に居たい。みんなと離れたくない!そんなの寂しいよ。私ここに居たい。みんなと一緒がいいよ.....でも私がそう願えば願うほどみんなを傷つけちゃう.....私本当にここにいてもいいのかな.....』
「───だろ。」
『え?』
「良いに決まってるだろ!オマエは俺の隣にいなきゃ居ないと認めない!オマエはオマエの親父のモンでもない!俺のもんだ!」
『.....!』
「留学がなんだよ。俺がオマエを離さない。オマエを絶対に行かせない。俺は.....俺らはオマエを捨てたりしない!だから!ずっと俺のそばにいてくれ!」
『マイキー.....ありがとうッ。』
「オマエは黙って俺の隣にいればいいんだ。」
『うん!』
「もう泣くな。俺はオマエの笑った顔が好きだからさ。」
『マイキー.....』
「それで?願い事は決まったか?」
マイキーの言葉にリツカはふと空を見上げると無数の星々が光り、時には流れ星が流れていた。
『決めたよ。私はずっとマイキーのそばにいれますように。これが私の願い事。』
「奇遇だな。俺も同じ。」
マイキーはそういうとリツカの頬を優しく撫でた後、ゆっくりとキスを落とした。
その日は最悪な日だと思っていたでも、彼のおかげで最悪の日が最高の日に変わったのだった。