第19章 羽折れの天使
『(アイツ私のことを知ってる様子だった。って事はどこかの族に所属してるのか、それともそのツテがあるのか.....いずれにせよ気をつけないとだな。)』
「愚息が申し訳ありません。リツカ殿。」
『いえ。気にしておりません。どうかお気になさらず。』
「そう言っていただけると嬉しい限りです。そうだ。是非とも我社の新しき事業を見ていかれませんか?」
「まぁ、素敵なお誘いですこと。」
「はい是非とも。」
『オレは.....遠慮しておきます。』
「お、お兄ちゃんが、そう言うなら私も......」
「そうですか.....」
「すみません。息子たちはこういったことにあまり興味がなくてですね。しかし私共は興味があります。是非ともご教授願えますかな?」
「いえ!かの有名な蒼葉グループの総帥に教授など!恐れ多いです。ではどうぞ案内します。」
「ありがとうございます。今から楽しみですわ。リツカ。杏花。」
『はい。お母様』
「は、はい。お、お母......さま.....」
「私たちは浩二様の披露パーティの目玉を見に行きます。いいですか?くれぐれも失礼のないようになさい。」
『「はい。」』
父と母が去った後、2人は顔を見合せはぁ....と大きくため息をついた。
「疲れたぁ〜」
『始まってまだ数分しか経ってないよ。今その状態なら最後まで持ちそうにないね。大丈夫?』
「パーティって言うからもっと楽しいものかと思ったら、全然違うんだもん。」
『一般的なパーティって言ったら友達呼んでどんちゃん騒ぎするパーティだからね。』
「私そっちの方がいいー。てかお兄ちゃん。さっきからずっと着信音鳴ってるけど大丈夫なの?」
『え?』
杏花に指摘され、ポケットから携帯を取り出すと着信音が鳴り響いていた。
しかも全てマイキーから。
着信は既に2桁は超えていた。