第19章 羽折れの天使
『え?なんて?』
「なんでもありません。」
『そっか。じゃあ私、部屋に戻るから。パーティの準備が始まるまで時間あるよね?勉強するから書庫から参考書と辞書......あと集中するために甘いもの。持ってきてちょうだい。』
「.....はい。」
ヒリヒリする頬を冷やしながら部屋のドアに手をかける。
ガチャ.....無機質な音ともに扉が開きもうすっかり見慣れてしまった自分の部屋へと入る。
『さて。勉強でもしますか。っとその前に。』
リツカは鍵の着いた引き出しからタイムリープというノートを取り出した。
『取り敢えず状況報告からだな。今どうなってるんだろう。』
ペラリとノートをめくると、日記帳のようになっており、そこには今の現状が記されていた。
何故記されているのか。
それは過去の蒼葉リツカと現代の蒼葉リツカの協力によって成り立っている。
過去のリツカが日記のように今の現状をノートに記録し、現代から戻ってきたリツカがそれを読み行動する。
そして未来をより最善なものにするという協力関係だ。
その為ノートの初めにはまだタイムリープしたて頃のリツカが残した文章が示してあった。
12年後杏花とヒナが東卍の抗争に巻き込まれて死ぬこと。
その為自分がタイムリープしてきて、12年前の私の身体を借りていること。
そして、未来の東京卍會の現状。
全てを包み隠さず書いてあった。