第19章 羽折れの天使
「なぁ蒼葉。花垣武道が心配か?」
『!』コク......
「アイツもダチなのか?」
『はい。中学の時から一緒なんです。正義感が強くて大人の顔をする時もあればどこか子供っぽいところもあって.......1度決めたら信念を曲げない自慢の友人です。』
「そっか。そりゃ心配だな。」
『はい。』
「はぁ〜.......俺が優しい先輩でよかったな。この貸しは高いからな。後で2倍にして返せよ。俺絶ッ対ェ怒られるだろうし。」
『?』
「ほら。着いてこいよ。アイツが心配なんだろ?」
先輩はまた扉を開くとリツカを手招きしてある場所へと連れて行った。
ガチャ....
「入れ。」
『!』
扉が開かれ、促されるまま中に入ると対面して座っているナオトとタケミチの姿が目に入る。
「義姉さん!」
「え、リッちゃん!?」
「橘、コイツも花垣の取り調べしたいってよ。」
「え、え、」
「じゃ、後頼んだぞ。俺上司の奴らに根回ししとくから。ちゃっちゃと終わらせろよ?長くは持たねぇだろうし。」
そう言うとリツカだけを残して、先輩は去って行ってしまった。
「と、とりあえず義姉さんもここに座ってください。ここで話し合いを始めましょう。」
『「う、うん。」』
「とりあえずこれを見てください。」
ナオトはパソコンを持ってくると、CDを入れて2人に画面を見せた。