第19章 羽折れの天使
『ナオト!どういう事!?何かの間違いだよね!?何でタケミチを逮捕する必要があるの!?』
「義姉さん.....いえ、蒼葉巡査部長。本当によかった。無事.....とは言えませんが、生きていたんですね。」
ナオトはホッとしたようにさっきとは違い笑みを浮かべると自身が羽織っていたスーツをリツカにかける。
『え.....』
「同刻、蒼葉六花!貴女を保護します!貴女からも事情聴取を行わせて頂きます。ご同行願えますね?」
「オイ!橘!リッカは関係ねぇだろ!」
「関係ならあります。蒼葉巡査部長は東京卍會に潜入捜査していた潜入捜査官です。」
「リッカが潜入捜査官?」
『.....一虎、黙っててごめん。』
「死亡したとされていましたがまさか生きていたとは。彼女からも話を聞かなければなりません。部外者は邪魔をしないでください。」
そういうと抗議する一虎を黙らせ、リツカの肩を持ってパトカーへと誘導する。
『ちょっとナオト!』
「義姉さん。安心してください。後でちゃんと事情は説明します。だから今はご同行を((ボソッ…」
『っ.....わかった。』
「リッカ!」
『一虎!大丈夫。ありがとう。』
恐怖で引き攣る顔に必死に笑顔を貼り付けると一虎を安心させるために笑顔を向けた。
バンッ!ドアが閉められ灰色の車が発進して警視庁へと向かった。